高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
連載裏話:進行の技術の磨き方~進行の技~
今回は月刊ケアマネジャー12月の連載の制作裏話です。
テーマは「進行の技術の磨き方~進行の技~」。今回も、なかなかに大変でした。
ご覧ください、写真を。赤字をたくさん入れた初稿戻し原稿です。
この連載は見開き2ページなので、スペースに余裕がありません。しかし伝える内容は割と高度(と自分では思っています)。さらに会議力向上というテーマは、文章だけの解説では、いま一つ説得力に欠けるという難があります。
今回どのように書き進めたか・・・実は明確な構成ができあがっていたわけではありません。おおよその流れは脳内ではできていますが、下書きスケッチするかのように文章をまずは書き起こす作業から入りました。
私の頭の中を開くと次のような自問自答をしながら書いているんですね、これが・・・。
「まずは、進行役として腕を磨くことを書く前に、なぜ何回進行役をやっても上達しないのか、それを整理しないと読者は納得しないもんなぁ・・・(しばし沈考)そうか、これを書こう」
と決めて書いたのが「現場ではサービス担当者会議を提案者と進行役を両方やっていても大した練習にはならない」ということにしました。これはなかなか大胆な指摘ですが、あえて書くことにしました。
要するに経験を積めばうまくなるというのは、ほぼありえないんですね。よほど器用な人ならわかりませんが、ただ進めることに慣れただけなのを「上達した」と勘違いしているのでは?と思います。
「基本を学んでいないと、まずは進行に余裕が生まれない。するとセオリー通り進めることになるので、話し合いというより、ほとんどが確認ばかりになりがち。だから必然的に進行が主観的になりやすい。自分流に進めたい人にありがちな傾向・・・これ、多いなぁ。第3は予定通りの進行が身についていると不意の出来事(例:家族からの予想外の質問)があると頭真っ白になってしまう。」
このように3つで整理することにしました。
ではどうやれば技を磨けるか・・・という本題です。
読者はここを知りたがっているわけですから。回答は「代理進行」を経験して腕を磨く・・・これにつきる。これが私の結論です。
他のサービス担当者会議を見学するのはよいでしょう。しかししょせんは見学&観察でしかないので、身につくほどの学びはそこにはありません。代理進行はまさにナマの体験で身体にたたきこむ(ちょっときつい表現ですが)にはちょうどいい方法です。
- (1)客観的に「準備」ができる
- (2)話し合いに「ほどよい距離感」が持てる
つまり、代理進行なのでケアプランの内容や説明、質疑に責任を持つ必要がない。これは精神的に相当楽でしょう。
さらに利用者(家族)やケアチームとも直接にかかわっていないのでとても客観的になれる、というのもメリットです。
し、しかし・・・そこに担当編集者Hさんからのツッコミが・・・
「図解のメリット欄に(3)自己チェックがありますが、文章には見つかりません。ここに(3)が入るのでしょうか?」
と控え目に赤字で指摘が・・・
そ、そ、そうでした。図解では書いているのに文章では抜けていた・・・実は案外とこういうことはありまして・・・即効で加筆(^_^;)
いつも気にするのは連載の終わり方です。
何気に書いているようですが、じつはけっこう考えています。今回も初稿の戻しで書こうと思っていたので、しっかりと加筆しました。
私が依頼される「文章・記録の上達術」のなかで、かならず自分のことに触れるようにしています。
それはまさにこの赤字のことなのです。
「私は文章をたくさん書いています。連載もあり単行本もあります。文章を書くことを仕事としているという点では、みなさんよりプロフェッショナルです。この私でさえ幾度も書き直し、入稿したあとに編集者からのきびしい指摘?があります。そして修正・加筆をして、ようやくみなさんに読んでもらうのです。
他の人に読んでもらう、指摘してもらう・・・だからいいものになるのです。私も同じ作業をやっているのです。だから、かならず、ケアプランの自分満足でなく事業所内で見せ合いっこを習慣としてほしいのです」
・・・と。
さあ、12月号を読んだモニターのみなさんからどのような感想が届くか・・・編集部のHさんのメールが楽しみです!(^^)!
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