高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
事業所カンファレンスを開いていますか?
東京都下の某市でケアプラン研修を半日行いました。
私がいつも強調すること・・・それは次の言葉に込められています。
「ケアプランはケアの指示書ではありません。ケアマネジメント全体を描いたシートでもありません。ケアの情報共有シートであり、保険給付の根拠書なのです」
この点を理解してもらうには、15分ほどの説明が必要になります。
「ケアプランでケアが形になるのではありません。ケアは個別サービス計画と手順書などではじめて形になります。ですから個別サービス計画がつくりやすい具体的な表現にしましょう」
「あるデイサービスが機能訓練をAさんに提供しようとします。そのための加算も取りたいと・・・。しかし、その表記がケアプランになく、個別サービス計画のみで提供していると報酬の請求にチグハグが生じます」
このように説明をしてから・・・
「では、みなさんが利用者(家族)の方やケアチームの方に提案する前に、事業所内でカンファレンスはどのようにされていますか?」
「新規のケースだけでなく、更新のケースもされていると思うのですが、いかがでしょうか?」
しかし、この時、どの会場でも沈黙が流れます。
事業所内カンファレンスといっても1人ケアマネの方では実際むずかしいので、特定事業所加算II型~III型の指定を受けている方に手を上げてもらい、同じ質問をします。
「特定事業所では毎週のミーティングが義務づけられています。先月の更新ケースはどうされましたか?」
と、ちょっと執拗にたずねます。
すると、決まって次のような返事がかえってきます。
「気になるケースはやりますが・・・」
「新規のケースはやりますが・・・」
「担当ケアマネから申し出があればやりますが・・・」
私が気になるのは、担当ケアマネの判断のみでケアプランが提案されていることの不思議さです。
利用者と契約しているのは居宅介護支援事業所です。ケアマネジャーのみなさんも、ケアプランの表記やサービス内容などに自信がないと多くの人がいうのに、それを事業所内で話し合っていないことの奇妙さです。
自信がないプランを利用者(家族)の方に提案している・・・どうしてそういうことができるのでしょうか?「忙しいから」でしょうか?「必要がないから」でしょうか?
今回、ケアプランの書き換え演習を行いました。持参してもらったケアプランを講義後にワークショップで書き換えてもらうのです。すると、本当にたくさんの文章があふれるように出てきます。
つまり、インプットはされているのに、苦手意識が邪魔をしてアウトプットにいたっていないと考えられます。
「今日、私が問いかけた同じフレーズで行うことで、みなさんのプランはもっともっと本人らしさいっぱいのプランに生まれ変わります」
ここに事業所内カンファレンス活用の1つがあります。
みなさんの事業所でもぜひとも試してみて下さい!(^^)!
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|日 時|11月22日(日)10:30~17:00
|詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2711.shtml - シリーズ(7)「めざせ、モニタリングの達人!~ケアプラン評価とリスクマネジメント~」(定員20名)
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