高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
観察の技を磨く
今月号の月刊ケアマネジャー10月号は「会議力、会議の技の磨き方」を伝授します。
会議力をどうやって磨けばよいか・・・
なかなかむずかしい注文です。8人~10人に集まっていただき、1時間近くを使って自分がロールプレー(模擬トレーニングのこと)をするなんて、超贅沢ですよね。だから実際はむずかしい。
では、どうすればよいか?会議力は実践の技術ですから、現場で実践的に磨くことが一番です。
3つのステップに分けてみました。
- (1)会議を観察する
- (2)会議に参加する
- (3)会議を進行する
10月号は、その(1)観察する、を書きました。
会議を観察するとは?
ピンとこない人もいるでしょう。
これは、私がこれまで事例検討会のワークショップでやってきた手法なのです。
10人程度で模擬事例検討会をするのですが、周囲に3~5名の観察者を立てて、約1時間余りひたすら話し合いを観察してもらいます。
すると、発表者の話の組み立てだけでなく声の音色や発表の態度や表情まで客観的に見ることができます。さらに他の参加者のリアクションも・・・熱心に聞き入る人もいれば、どこかウワの空の人もいれば、メモ取りに夢中の人もいます。
さらに話の流れも周囲からみていると実にわかります。適切な質問から自分中心の質問、タイムリーな発言から話し合いを脱線させる発言、深めるつもりが話し合いをややこしくする発言まで、じつによくわかるのです、観察していると・・・。
観察者の経験をすると、こんどは自分が発言したとき、進行役をやるときに「客観的な観察者の目」で自分を見つめることができます。これが本当に役に立つのです。
ということを8年前の岐阜県や島根県、山形県の主任介護支援専門員のワークショップでやったところ、とても評判がよかったので、今回もこのスキルをご紹介しました。
今回の「観察篇」でユニークだと思われるのが、発言回数です。会議というと発言が多い人が熱心でいい人という印象があります。進行役としては沈黙ほどきついものはありませんからね。
でも次のような流れになっていたら、どのような気分ですか?
これってまずいんですよね、進行としては。だから、私は発言回数のバランスをつねに考えます。
自分が参加した場合もそうです。
そうしないと、発言の多い人が場を仕切るということになってしまうので。では、そのような時にどうやればいいか・・・そのあたりのノウハウも書きました。
観察は、一参加者として会議に出ている際にできる手法です。
ですから、これからは、どのような会議に参加しても無駄はありませんね(^_^;)。
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|日 時|10月11日(日)10:30~17:00
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