高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
「私の心・私の感情」の知り方~自己覚知の方法~
スーパービジョンに「自己覚知」という言葉あるの知った時、とても興味を覚えました。
自己を覚知する・・・自分探しがやたら好きだった20代前後の私は、次のような自問自答をやっていました。
「オレはなんなんだろう?」
「オレって奴はなにをしたいんだろう?」
今となっては青臭い自分への問いかけです。遅れてやってきた思春期だったのでしょうか・・・何ものにもなっていない、これから何ものかになろうとする段階で、この問いは意味あるようでほとんど意味がなく・・・
自分なりにいたった結論は・・・
「むずかしく考えず、まずはいま、やりたいことをやろう」
という自分に至極都合のよい結論にいたり、その後、関係者各位(とくに身内)に迷惑をかける数年間がありました。
あれほど「自分は何者?」と悩んだ私も、すっかり落ち着き、いまでは「大したことねぇな。オイラがやれることは・・・」と整理して考えることもできるようになりました。
自己覚知・・・つまり縮めると「自覚」ですよ。つまり「自らに覚める(醒める)」という言葉は重いです。さらに「知る」となれば・・・
その深さたるや・・・それがスーパービジョンという手法がよいのか、仏教の数々の修業がよいのか、それは人それぞれでしょう。
しかし、それらはあるパターンがあるのではないでしょうか。つまりですよ、この世の中に映画や演劇、小説など「人間のドラマ」を描いた作品がありますが、どうして私たちは登場人物に共感したり感情移入できるのでしょうか?ハラハラドキドキするのでしょうか?
それは、私たち人間は「〇〇という場面では腹が立つ」「〇〇の時には笑顔になる」という感じ方・行動のとり方にパターンがあるからです。だからその予想が異なると「え~!」と惹きつけられのです。
またまた長々と書きました。今回、自己覚知にはとても参考になる映画のお話しです。それがディズニー映画「インサイド・ヘッド」。お盆前休みに見てきました。これは、なかなかによくできた子供向け作品で、大人にも十分耐えうる内容です。
主人公は11歳のライリーという少女ですが、本当の主人公は彼女の心に棲む「5つの感情」です。
- ・ヨロコビ(喜び)
- ・カナシミ(悲しみ)
- ・ムカムカ(気分屋)
- ・イカリ(怒り)
- ・ビビり(臆病)
この5つの感情たちがライリーの成長に沿って出くわす困難(引っ越し、転校、両親との葛藤)に格闘しながら立ち向かっていくドラマです。
とてもユニークだと思うのは、それぞれの5つの感情には「かけがえのない役割」があると説いているところです。
とかく「喜び」はポジティブで「悲しみ、臆病、怒り、気分屋」はネガティブととらえられがちですが、映画ではそうではありません。
- ・臆病だから「危険や恐怖から身を守れる」
- ・怒りがあるから「感情を爆発させることができる」
- ・気分屋だから文句は多いけど「嫌なものを遠ざけることができる(ストレスを避ける)」
- ・悲しみがあるから「大きくなった悩みや苦しみを一瞬にして小さなものにできる」
そして・・・
- ・喜びは「苦しい時もまわりをハッピーな気持ちにさせる」
これらの感情が場面や立場によってそれぞれの感情の「突出度合い」が違うこと、そして協力し合うさまをおもしろく描いています。
私が先に「感動できる理由」を書いたように、この5つの感情やドラマの展開に共感・感動できるのも、私たちのなかに、人種や民族を越えて共通する感情があるからです。
映画ひとつ、絵画ひとつ、それぞれに感動できること、それも立派な自己覚知の作業と私は考えます。
スーパービジョンは自己覚知だけが目的ではありません。しかし「自分の心・価値観」を道具(ツール)として使いこなさなければいけない相談援助職にとっては大切な「自己点検」「自己メンテナンス」となります。
しかし、映画や小説、演劇など「人間の心と想像力」に直接アプローチするものにふれることで「自分はなぜ○○に涙したのだろう?」「なぜ〇〇に腹が立ったのだろう」「〇〇のシーンが忘れられないのだろう」と、具体的に思い浮かべるとき、思わぬ「新しい自分」と出会えるきっかけになるでしょう。
映画館での公開はそろそろ終了ですが、DVDは必見ものと伝えておきたいと思います(^^ゞ
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ケアマネジメントするサービス資源は介護サービスだけではありません。本人ができること(自助)、家族が行うこと(互助)、地域・近隣・商店街が行うこと(互助)、通院・往診・処方など医療・看護が行うこと、そして行政・社協が行うことまで、コーディネート対象は多様です。各資源(事業所)の選び方から調整・交渉の仕方などの「勘所」を学びます。
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|詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2710.shtml
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ムロさんの写メ日記
ケアタウン総合研究所東京スクール「新・ケアマネジメントの仕事術」第3回「利用者(家族)のアセスメント」