高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
メディアの介護特集は盆暮れに集中
みなさん、熱い熱い熱い夏を過ごされていますか?
東京は異常気象ですね、これはもう・・・さて、この暑いさなかではありますが、週刊誌の特集にちょっと目を凝らしてみて下さい。
介護の特集がたいていあります・・・
写真は、先日、「介護離職」をテーマに取材に来られた武蔵野市発行の男女共同参画社会誌「まなこ」の取材ワンショットです。
さて、ここ10年の大いなる変化のひとつがメディアの介護を取り上げる頻度の多さです。そして内容もなかなかいいですね。
当事者の方も介護をする家族のみなさんも、ほとんど「顔出し」ですもんね。つい先日のTBSのニュース特集は若年性認知症がテーマ。58歳の男性と67歳の女性の方の家にカメラが入り、実際のやりとりまで丁寧に撮影しているので、驚きです。
このように当事者が積極的に語られる番組が増えることは、ご本人たちにとっても「社会への役立ち感」「自己肯定感・有能感」を持つことにもなり、とてもいいことだと思います。
また同じような環境にいる認知症家族の方々にとっても「ピア・カウンセリング」効果が期待できると思います。
さてさて・・・本題はそうではなく・・・盆暮れの話です。
一昨年の年末に週刊エコノミストで「介護離職」が特集となり、8Pほどお手伝いをしました。その際に、どうして年末に多いのですか?と編集者に尋ねました。
「それは、お盆と年末には実家に帰省されますよね。そこでリアルに年老いた親と向き合うことになるわけです。帰省の前に自分なりに情報を得ておきたいという心理が働くのでしょうね」
なるほど、帰省したら親だけでなくきょうだい達とも会い、「いざとなったらどうするの、お兄ちゃん!」「これ以上、介護が大変になったら施設に入れないとむずかしいよ、お兄ちゃん!」と話題になった時に自分なりの考えを話せるように理論武装?をしておきたい心理なのでしょう。
ビジネス誌が特集を組むのは、当然、売れ行きが見込めるから。ですから、エコノミスト(2013年12月第3週号)が出た時、同じようなテーマで東洋経済誌が介護特集を組んだのでビックリです。もちろん週刊ダイヤモンド誌も・・・(^_^;)
それと深刻なのが「介護離職」ですね。
これは相当に深刻です。
日経ビジネスが「隠れ介護」という切り口で、介護をやっているのに会社に黙っている潜在社内介護者を取り上げています。今回、国会でも介護休業93日間を分割で取れるようにしよう、と話し合われましたが、まさしくあれです。
取材しましたが、ほとんど会社には言っていないようですね、みなさん。子育てなら「ほほえましい話題」なのでしょうが、介護は「痛ましい話題」になるからでしょうか。介護そのもののマイナスイメージが強すぎるため、同情されたくない、哀れに思われたくない、という心理も働くのかもしれませんね。
それと・・・人事異動にも少なからず影響しますよね。まず管理職ポストはきびしいと人事部からは評価されるかもしれません。
つまり、転勤や異動が必須の「出世街道」「出世レース」にはエントリーさえされなくなるかもしれない(「君の替わりはいるから」という殺し文句)
さらに「えっ?〇〇さん、奥さんには頼めないの?どうして?」と、家庭の事情まで想像されてしまうことは、プライドの高い男性にはかなり辛かったりします。
なにはともあれ、介護が中堅クラスの人事に大きく影を落とし始めているのは事実です。
そんなことを、「まなこ」誌の取材でお話ししました。武蔵野市といえばJR吉祥寺駅があり、ちょっとプチセレブな高級住宅地もある土地柄。大学も多くインテリの方が住む街です。
これから積極的にビジネス誌や週刊誌などを通じて発信していきたいと思っています!(^^)!
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