高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
私が「男性とは?」を語る理由
(1)家事ができない
これは、戦前・戦後から脈々と続く「家庭内分業」の結果です。つまりは、「男は外で稼ぎ、女は家を守る」をやってきたおかげで、男は生活費は稼げるが、生活力はからきし駄目になったわけです。
(2)介護を自己流でやってしまう
男というものの中には、相談することは恥、わかっていない・できないことは恥という文化があります。負けた気になってしまうのかもしれません。
(3)本音を吐かない
女性は「本音」を語ることを好みます。本音を話すことで、互いの中に親近感と共感が生まれ、時に「慰めてもらえる」ことを知っています。しかし男性にとって「本音=弱音」なのです。本音ばかりを語る男性は評価されません。本音=弱音を吐かずに「建前」を貫き通すことが美学なのです。
このあたりのニュアンスは、女性にはわかりにくいようですね。「何を無理してるの?」「建前でしか頑張れないのね」などと言われても、効果的な反論ができない。せいぜい「それが男だ」と言い返すのが関の山でしょう。
(4)張り合う
男は「競い合う」ことが大好きです。勝ちたい、負けたくない、それくらいなら俺でも…という感情を、いつもどこかに抱きながら生きている動物です。
だから、ヘルパーが行う料理や介護の様子を見ながら、「俺でも〇〇くらいできる」「あれで時給××円ももらっているなんて…」と思いながら張り合おうとします。
ただこれは、ある意味、向上心の表れですからいいことなのです。 これが行き過ぎると、独善的になったり、忠告・アドバイスに耳を貸さなくなるという事態が起こります。
(5)「スパルタ介護」になりやすい
「このままでは歩けなくなるからガンバレ!」と、妻や親の意向を無視してとことん「やらせる」。ゆっくりやる、ちょっと休みながらやるなどのマイペースな取り組みは、「手抜き」「怠け」と映ってしまうんですねぇ。
このような男性は、律儀ですが融通がきかない。やがて、励ましが叱責となり、怒声が飛び交います…
それでは、男性介護者に対し、どのようにかかわればよいのでしょうか? まさに、そこを研修会などでお話ししているわけですが、ほんのちょっと最後にご紹介しましょうね。
「男性介護者には、ほめる、おだてる、感心するを基本にされることをおすすめします。男性の自尊心をくすぐるのがコツです」
このブログを読んでいる皆さんの「エ~!」というリアクションが目に浮かびますが、実はそうなんですよねぇ。もちろん、本心からでなくてかまわないので… (^_^;)
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研修会場・写メ日記
(1)「多職種連携と地域ケア会議の活用」