メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

私が「男性とは?」を語る理由

 私が、アセスメントの研修などで話すテーマの一つに、「男性とは?」があります。これは結構、皆さんにご好評をいただいている話題です。

 なぜ、私が「男性という性」について語るのか?

 それは多くのケアマネジャーの皆さんが、女性だからです。男性の方は1~2割ほどいますが、女性のパワー(圧力?)に押され気味で、あまり職場で「男らしさ」(ジェンダーの研究者からはお叱りを受けそうですが)を発揮?できていないこともあります。

 というのはさておきまして…

 要するに介護者に男性が増えていること、これです。

 80代の夫が妻を介護する、50代の息子たちが父・母を介護するというのがすっかり当たり前の時代になりました。その割合は、なんと「3人に1人」という高水準です。

 思えば、介護保険が始まる15年前は、「嫁に介護をさせるな」が一大テーマでした。

 ところがどうでしょう…すっかり嫁に頼るという風潮は少なくなった感があります。もちろん地方を歩けば、まだまだ嫁に介護を強いる地域はありますが。

 おかげ(?)で、女性のケアマネジャーの皆さんは、男性介護者とやりとりする場面が圧倒的に増えました。男性が介護に参加することは、男女共同参画社会の視点からもとてもいいこと。「子育てをしない男性を父とは呼べない」というキャッチフレーズで、「育メン」がもてはやされているように、です。

 しかし、女性が介護するのと勝手が違い、男性が介護するとなると、いささかやっかいなことが起こります。

 男性介護の特徴としては…

  • (1)家事(料理、洗濯、掃除など)ができない
  • (2)介護を自己流でやってしまいがち

 そして何より、ケアマネジャーの皆さんを困らせるのは、

  • (3)本音を話してくれない(「助けて」のSOSを出さない)
  • (4)ヘルパーと張り合う、注文が多い
  • (5)スパルタ介護になりやすい

 皆さん、いかがでしょうか?

 男性が介護をすると、どうしてこうなってしまうのか。それぞれについて見ていきましょう。