高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
連載裏話:小まとめ・大まとめ
今月号の月刊ケアマネジャー8月号は「小まとめ・大まとめ」という、ちょっと風変わりなタイトルです。
な、なぜなら・・・進行役に苦手意識を持つ理由の1つが「まとめ方がわからない」というものなんです。みなさんはいかがですか?
前回の7月号は「発言の引き出し方」を書きました。発言が多くなると「盛り上がり」としてはとてもよくても、実は、本題には遠いような不思議発言も多くなります。とりあえず発言はしてくれたが・・・
- ・ほとんど意味がない
- ・ほとんど本題からはずれている
- ・それって、もう終わった話だよ!
- ・あなただけの持論はやめてほしいなぁ
などの、「ひらめき発言、主観的発言」や「ヨコミチ発言、脱線発言」が、話し合いを盛り上げるどころか迷走させる原因になったりしているのです。
そのあたりを意外とわかっていないと、ひどい目?に遭うことになります。それを手前で防ぐのが「小まとめ」なのですね。
グッドな発言にはなにがあるか・・・
以下のように整理しました。
これは、発言している人の話の内容を「9つの視点」で整理しながら聴いていると、理解に役立ちます。
もちろん、エピソードを話していたら、自分なりの判断を述べる人がいます。エピソードから分析を行い、そしていきなり提案を話す人がいます。
私が進行役なら、前者の人が話し終わったら、次のように質問します。
「〇〇さんが~と判断された理由をお話しいただけますか?」
と分析的視点を求めます。
後者の人が話し終わったら、こうです。
「〇〇さんが~がよいと提案される根拠(判断)をお話しいただけますか?」
と判断的視点を求めます。
要するに、発言している人の中味を瞬時(ちょっと大げさですが)に交通整理をしながら聴くことなんですね。これを行なっていると、聴き手にとって「欠けている領域」がなにか、がすぐに判断がつきます。この方法は、進行役だけでなく、日常的に使える私流「理解術」ともいえます、はい。
さて、小まとめの目安ですが、人数が8~15人なら時間にして「5~10分」ですね。これだけの時間がないと、全員が発言をするのは無理ですね。人によっては20秒で終わる人もいれば、1分長々と発言する人もいますからね。
サービス担当者会議のように4人~7人程度ならば2分~5分でしょう。少人数になると発言時間も短く、回数が多くなるので、5分以上経過しているのに小まとめを入れていないと、多分、話は本題から逸れているか、さらに次の段階に深まっている、広がっていることが予想されます。
今回はケアプランの総合的援助方針(方向性)から2表の課題、役割、内容、期間などを小まとめ・大まとめする流れで解説をしました。
みなさんが苦労されている部分ですよね。
一生懸命に説明しても、あまり発言がなかったりすると「本当にこの2表でいいの?」と内心不安に思ったことはありませんか?
それもここで紹介した手法を行えば、話し合いを脱線させずに盛り上げることができます。
最後に、「決まらない・決められない」ときのコツをご紹介しました。「私、代理で参加しているので責任を持った発言ができません」「この内容は事業所に持ち帰らせてください」と言われることは、十分に予測できます。でも、それで終わったら話し合いは盛り下がります。正直、これってつらいですよね。
ではどうしたらよいか・・・
そのあたりの究極の手法も書きました。
今月号の表紙です。
ぜひともご覧になってみて下さい(^_^;)。
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|詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2709.shtml
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