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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

全国研修巡り:沖縄編だぞぉ!

 今週は3~4日と沖縄でした。

 それも名護です…そう、辺野古の海がある名護…那覇から高速道路を使っても、たっぷり1時間はかかります。

 ちょっと足を伸ばせば美ら海水族館があります。

 今回は、名護市の介護サービス事業者協会が主催する研修会でした。「新春~」とついていたので、「そうか、旧暦でされるんだ」と思い、私を提案してくれた仲嶺邦子さんに尋ねると、「いえ、時期がずれただけです」と説明されました。



 昨年10月のこと、(少々おこがましいかと思いますが)沖縄県の主任介護支援専門員研修のスーパービジョンを担当させていただきました。いろいろな沖縄らしいエピソードを聞かせてもらいましたが、そのうちの1つが「沖縄のケアマネジャーは沖縄暦(こよみ)で訪問のスケジュールを決めている」ということでした。


 沖縄といえば、元は琉球王国でした。独自の民族性と文化性がまだまだ残る地域ですから、台湾や中国のように「旧暦」で暮らしをされている人がいるという話はとても新鮮でした。

「なにせ、それを持っていないと、いくら訪問しても絶対に相手をしてもらえないんです。とくに沖縄の位牌の“とうとうめ(尊御前)”にお供えやお祈りをする時間に行ったときにはまったくだめですからね(笑)」

 それと、みなさんの事例検討の時の話題がまたおもしろい。

「あの人はユタだったから、〇〇だねぇ」

「まずは、ユタに相談するっていっているからねぇ」

 ユタ…なんですか、その専門用語は? 尋ねると「沖縄版シャーマンのような霊能者」ということです。

 沖縄の日常に自然に溶け込んでいるため、いまでも信心するおじぃやおばぁは少なくないようです。

 なにせ「医者半分、ユタ半分」と言われるほど信頼されているユタも存在するというから驚きです。


 それと、それと…さきほどの“とうとうめ”ですが、遺産相続などでは、かならず揉める材料の1つということ。つまり、一族の長のみが“とうとうめ”を引き継ぐことができるらしく、それが誰になるかがかなり重要だそうです。

 基本は長男となっているようで、そのせいできょうだい間のなかで長男の存在は絶対だそう。長男が「参らせねぇ」といったら拝むこともできないので、とても威張っているとも聞きました。

 今回もたっぷりと沖縄のみなさんの「地元っぽいエピソード」をたくさん聞くことができました。

 私が敬愛する民俗学者・宮本常一も、このように多くの市井の人々と膝詰めで語り合ったのでしょうね。

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