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宗澤忠雄の福祉の世界に夢うつつ

宗澤 忠雄 (むねさわ ただお)

疲労が溜まりやすい福祉の現場。
皆さんは過度な疲労やストレスを溜めていませんか?
そんな日常のストレスを和らげる、チョットほっとする話を毎週お届けします。

プロフィール宗澤 忠雄 (むねさわ ただお)

大阪府生まれ。現在、日本障害者虐待防止研究研修センター代表。
長年、埼玉大学教育学部で教鞭を勤めた。さいたま市社会福祉審議会会長や障害者施策推進協議会会長等を務めた経験を持つ。埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)、『障害者虐待-その理解と防止のために』『地域共生ホーム』(いずれも中央法規)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

スーパームーンの皆既月食

 5月26日、スーパームーンの皆既月食がありました。当日の午後になって、前日の天気予報が完全に外れることが分かり、覆面パトカーを恐れながら、雲の切れ目を求めて北へひたすらまっしぐら! 

19時38分

 上の画像にある月の形を見てすぐに感激した方は、間違いなく相当の天文ファンです。月食は、通常の月齢の変化に表れる月の欠け方とは全く異なるからです。

三日月

 三日月では、月に向かって左側が欠けていますが、今回の月食は下から上に欠けていきます。皆既月食が始まり、いつもとは異なる欠け方が進む様に、地球を挟んで太陽と月が、刻一刻と一直線に並ぼうとしている天文現象を感じます。

月は、新月から満月まで常に同じ面だけを地球に向けていますから、月の海の部分(5月10日ブログにある満月の黒い部分です)が、皆既月食で下から隠れていくところが実に面白い。もし、第三者から「そんなことの何が面白いのか?」と問い詰められても、「面白いものは面白い」としか答えようがありません(笑)

 日食は、月食より観測できる機会が少ない現象ですから、地球のどこかで皆既日食が観測できる日には、旅行会社が天文ファンのためのツアーを企画しているほどです。そのツアーには、大勢の天文ファンが集まります。

 かなり以前のエピソードですが、アフリカのどこかで観測できる皆既日食のためのツアーがありました。日食のために海外まで出かける天文ファンですから、観測と撮影のためには相当の重量のある機材を現地に持ち込みます。

 しかし、皆既日食の当日は、土砂降りの雨。では、それで意気消沈かと思いきや、皆既日食の最大時に雨空が夜のように真っ暗になりますから、ツアーの参加者たちが「今、皆既最大だね!」と大いに盛り上がっていたと耳にしました。そして、「次回の日食ツアーでも会いましょう」とある種の団結感まで残るそうです。

20時18分皆既最大時

 さて、皆既月食の最大時は、月が赤く染まって見えます。その理由は、次のサイト(国立天文台、https://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20111210/about/color.html)をご覧ください。

昔の人たちは、月食の赤い月について不気味に感じていたようです。昔読んだ月食にまつわるエピソードによると、インカ帝国ではジャガーがお月さんを襲って食べるのが月食で、血を流してお月さんは赤くなると考えられていたそうです。

 月食の撮影をしていると、私と同じように埼玉から車を飛ばして月食の赤い月を観に来た親子連れにお会いしました。

 お子さんは小学校1年生だそうで、変異株のCovid-19の感染拡大のために、あまり友達とも遊べなくなったため、皆既月食を親子で楽しむことを約束していたそうです。

 今回の月食について、テレビ各局のお天気キャスターは天気予報を外した上に、「スーパームーンの皆既月食」を煽り気味に伝える人ばかりでした。

 スーパームーンといっても、今回は通常の満月より14%大きいだけです。月が大きめだと言うことは、肉眼ではまったく実感できませんし、天体望遠鏡を覗いてもさほど大きめだとは感じないでしょう。

 国立天文台が満月の最小と最大を比較した画像を公開していますから、それをご覧いただければと思います(https://www.nao.ac.jp/faq/a0207.html)。

 火星の地球への大接近の場合は、小接近の場合の見かけで2倍の大きさにもなります。だから、月のスーパームーンをマスコミが煽り気味に報道することには違和感を覚えます。

 天体現象に普段は全く関心も興味もない「気象予報士風芸能人」が、天気予報を外した上に、話題作りの材料に皆既月食を使うのは止めていただきたいと思います。

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