梶川義人の虐待相談の現場から
様々な要素が絡み合って発生する福祉現場での「虐待」。
長年の経験から得られた梶川さんの現場の言葉をお届けします。
- プロフィール梶川 義人 (かじかわ よしと)
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日本虐待防止研究・研修センター代表、桜美林大学・淑徳大学短期大学部兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。
オズボーンのチェックリスト
前回ご紹介した分析から、今後の執筆に関するヒントはいくつか得られました。しかし、とりあげるトピックスに関するヒントも欲しいところです。そこで、「アイデア生産工房」を使い、9つの視点から発想を促す「オズボーンのチェックリスト」を試してみました。
9つの視点とは、1転用(他の使い道)、2応用(他のアイデアを借りる)、3変更(変更する)、4拡大(大きくする)、5縮小(小さくする)、6代用(他のモノに代える)、7置換(入れ替える)、8逆転(逆にする)、9結合(組み合わせる)です。
「虐待問題への取組み」として入力したところ、なかなか興味深い結果になりました。文字数節約のため「虐待問題への取組み」は「□」と表記し要約してみます。
1 | 転用 | □を他に使えないか、□に他の利用法はないか、 □を他の分野で使ったら、□をアプリにしたら、 □をチューニングしたら、□のタブーを無くしたら |
---|---|---|
2 | 応用 | □に似たモノの真似をしたら、□を上司ならどうするか、 □を「尊敬するあの人」ならどうするか、□をライバルならどうするか、 □を共有したら、□を他分野はどうしているか |
3 | 変更 | □の意味を変えたら、□のユーザーを変えたら、 □の強みを変えたら、□のイメージを変えたら、 □のメリットを変えたら、□のデメリットを変えたら |
4 | 拡大 | □を大きくしたら、□の成分を増やしたら、 □の地域を広げたら、□の意味合いを広げたら、 □の市場を広げたら |
5 | 縮小 | □を低くしたら、□を軽くしたら、□の材料を減らしたら、 □のターゲットを狭めたら、□の意味合いを狭めたら、 □を具体化したら |
6 | 代用 | □を他のもので代用したら、□を他の方法で代用したら、 □を家で使えないか、□を通勤中に使えないか、 □をプライベートで使えないか |
7 | 置換 | □の時間を入れ替えたら、□のやり方を入れ替えたら、 □の場所を入れ替えたら、□のパーツを取替えたら、 □をトレードしたら、□を誰かと交換したら、 □の目的を入れ替えたら |
8 | 逆転 | □と○の順番を変えたら、□と○の立場を変えたら、 □の原因と結果を入れ替えたら、□を複雑にしたら、 □の不便を便利にしたら、□の不安を無くしたら、 □を逆から見たら |
9 | 結合 | □に似たものと手を組んだら、□の今と過去を組み合わせたら、 □と利用シーンを組み合せたら、□をユーザーが使ったら、 □がコンビを組んだら、□が集まったら、 □に体験を組み合わせたら |
すでに試みた発想もあります。しかし、「虐待問題への取組み」といっても、以前書いたように、発見から事後評価に至るまで、130~140項目ほどに細分化できます。したがって、項目一つ一つを、9つの視点で検討すれば、1つの視点につき1つと仮定しても、ゆうに1,000を超えるヒントが得られます。
数が多すぎて少しウンザリしないでもありませんが、前回と今回のツールの威力には大いに驚かされます。
私「出し過ぎだ!」