ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第61回 犬のリラクゼーション…!?
12月に突入!気持ちばかり焦ります…が、楽しく行きましょう~♪
明日、12月6日(土)ららぽーと横浜にて、補助犬法啓発イベントを実施いたします! ぜひ、補助犬たちに会いにいらしてくださ~い♪♪♪(^o^)/
******************************************************「身体障害者補助犬法ってなぁに?」 障害者週間補助犬法啓発イベント
- 主催:厚生労働省 / 企画監修:NPO法人日本介助犬アカデミー
- 協力:公益財団法人日本盲導犬協会、社会福祉法人日本介助犬協会、NPO法人聴導犬普及協会
- 内容:身体障害者補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)のデモンストレーションの他、各補助犬ユーザーさんのトークを通し、障がい者への理解促進を目指します♪
補助犬たちに会いに来て下さ~い♪
犬のリラクゼーションって、どんなものだと思われますか?
家でお腹を出して上向けに寝ている子もいるかと思いますが、それも立派なリラクゼーションですね。では、お散歩のときはどうでしょうか? 犬はやはりお外が大好きなので、いろいろな刺激がある外は、ある種リラックスできない要素が沢山あるのです。知らない犬や人との遭遇、様々な音やにおいなど……。興味津々ですが、それはストレスにもなりかねません。特に怖がりの犬たちは大変ですよね! お散歩に行くとぐったり疲れちゃう、なんてこともあるのです。
「常にリラックスしていられる」という要素は、特に補助犬たちにとっては大切な素質。今回はそのことについて、考えてみたいと思います。
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先日、Tタッチのワークショップに参加して来ました。兼ねてから参加したかったのですが、ようやく念願かなっての参加となりました。
- 「テリントンTタッチ メソッドは1983年に、当時すでに20年ものキャリアを持つ世界的に有名な馬のトレーナー、教育者であるリンダ テリントンジョーンズにより考案されました。テリントン Tタッチ メソッドの理念はコンパニオン アニマルであるパートナーにやさしさと理解を持って、行う方法によりストレスを軽減させ、パートナー自身に自信を持ってもらい、健康増進、集中力をアップし学習能力を高めます。テリントンTタッチとは動物の身体に非習慣的な刺激を与えることで、心のバランスを整えたり、身体の動きを高めたり、健康状態を良くしたりするケアです」
- ※テリントンタッチ日本事務局Websiteより
秋晴れの紅葉の公園で集合し、ゆっくりとスタート!
今回の犬たちは、どの子もドキドキしすぎちゃうところがあるので、その対応を学ぶセッションでした。久々に会った子に挨拶したい!と表現する子、早くあっち行きたい!と表現する子、見知らぬ犬が気になる子…様々いますが、ある程度トレーニング(しつけ)されている犬は、むやみに吠えたりしません♪ 皆、ハンドラーさん(犬のリードを持つ人)に表情やボディランゲージで伝え、それに対してハンドラーさんが表情や声かけでコミュニケーションを取りながら、1歩ずつ確かめるように進みます(近くのドッグランからは、常時、吠える声が聞こえていましたが……汗汗汗)。
途中、指導くださる先生から、1ペアずつ、その場でできるアドバイスが出されます。ヘアバンドのように額にゴムをひっかける子や、前足の足首にゴムをはめる子、中には肉級の間にゴムをはめる子など……ゴムと言っても、輪ゴムのようなものではなく、子どもの髪の毛をくくるタオル生地でカバーされたゴムなどを使用します。だから、犬たちにとっても、さほど違和感がありません。ボディラップといって、ソフトな生地で包帯のように必要な部分を巻く子もいます。その際、身体の骨格や筋肉の緊張具合などを確認して巻きます。中にはサンダーシャツ(様々な不安症状を軽減させる効果あり)を着る子も♪ Tタッチと一口にいっても、ただ、タッチするだけではないのです。1頭1頭の様子に合わせた様々なグッズが登場します。
大切なのは、4本の足でバランス良く、自分の意思で真っ直ぐ立てているか?です。4本の足でバランス良く立つ=自信を持って立てている、ということなのだそうです。
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ハンドラーさんも、様々な試みをします。全身のいろんなところを触り、筋肉の緊張の高い部分を探します。中には顔面が硬くなっている子もいたり。ハンドラーさんは試行錯誤で、Tタッチマッサージなども施します。みんな真剣すぎて人の顔が怖くならないよう(笑)、時々リラックスする努力をしながら頑張ります!(人が緊張していたら、犬も緊張しちゃいますから…)
みんな、少しずつよくなって行きます! その状況に応じて、ラップしていた布を取ってみたり、ゴムを外してみたり、最終的には自分の意思でバランスを保てる状況に持っていきます。
ちなみに先生の眼は凄い! 少しのバランスの崩れも見逃しません。「少し後ろ足の左側に力が入ってませんね」と言い、左足にゴムをはめてみると、バランス良く付くことができたり……。
要は、刺激といっても、強く結ぶということではなく、優しく触れる程度なのですが、そこにソフトな刺激があることで、犬自身が自分の足の位置を意識しやすくなり、自然とバランスが取れるように持っていくということなのです。この身体のバランスが取れるようになると、心のバランスもよくなり、安心して自信が持てるようになるとのこと。犬の真理と、身体の骨格や形状を理解する必要があり、奥が深いです~♪ 知れば知るほど、おもしろい! もともと馬に施されていた手法。馬はとっても繊細な動物なので、納得ですよね!
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Tタッチは、犬との信頼関係を築き、犬の自信を高めていくのだそうです。そんな素敵な空間に一緒にいられ、私もリフレッシュできました! 家の猫にも早速試してみたくなりました!(笑)
写真は、ワークショップ終了後のフリーお散歩の様子♪ みんな開始時よりも、表情が柔らかくなり、自信に満ちた笑顔で歩けていました♪
次回は、「ありがとう。盲導犬Y君・・・」です♪ お楽しみに!
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