ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第319回【オリパラのレガシーは今ここから!私たちから!】
10月、念願の緊急事態宣言解除後の生活、皆様いかがお過ごしでしょうか? 私は、久々の早起きで中学生(+ついでにパパさん)のお弁当作りが再開しました。もう、久々すぎて、眠いのなんの・・・世の中のお母さんたち、ご苦労様でございます。そして、小学校5年生の方は、なんとも摩訶不思議な「分散登校」というシステムが発動しました! クラスが前半と後半に分かれて、1日交替で登校します。しかも、午後授業なしで、給食食べてすぐ帰ってくる。。。そして、1日交替で家庭学習日と言う、本人たちにしたら「休み」でしかない日があります。彼らにとっては、「長~い夏休み」だったそうです・・・(苦笑) この2人の子どもたちの凸凹なスケジュールを把握するだけで、精一杯な日々でした・・・ある程度、業務時間の調整ができる私だから、まだなんとかなりましたが、他の共働きのご家庭などでは、どうされていたのだろうか?と本当に心配になる期間でした。2週間がたち、ようやく、小学校も通常登校&授業時間となり、少し生活のリズムも整ってきました。
さて、緊急事態宣言解除に伴い、都内や横浜市内の小中学校から「オリパラ教育」のお問い合わせがたくさん入っています。やはり先生方も、相当にご苦労されてきたのだと思います。解除を待って、外部講師をようやく呼ぶことができるようになったのです。先日伺った、足立区の小学校さんは「もう2年ぶりくらいのリアル体験授業なので、非常に生徒たちも我々教師も楽しみにしていました♪」と言って下さり、より気合が入りました!
小学校での聴導犬出前授業の様子2020年度
当会にとっても、久々の小学校での授業となりました。感染症対策をしっかりと工夫しながら、実施しました。子どもたちも、もちろん全員マスクを着用し、静かに聞いてくれていました。でも、やっぱり、聴導犬や盲導犬が登場すると、「わ~♪」と思わず声が漏れます。でも、騒ぎすぎることなく、拍手で迎えてくれました。
当会の出前授業では、冒頭にパラリンピックの意義などを簡単に紹介し、続けて補助犬に関する情報はもちろんのこと、それ以上に大切に伝えているのが、「障害について」です。各ユーザーさんから、ご自身の障害について話していただくと同時に、どんな工夫をして生活をされているか?など、当事者でないと聞けない話をしていただきます。子どもたちの想像力はどんどん高まり、最後のサポート体験時には、やりたい!と希望して手を挙げる子がいっぱいで、質問もいっぱい出てきます。こういう、リアルな「コミュニケーション」体験、それが何より大事なことだと思っています。
実際に、サポート体験ができる子は、各クラス2~3人ではありますが、その体験している子たちを観ている子どもたちも、みんな「体験しているつもり」で目を輝かせてみてくれています。きっと、この子達は、次、実際に駅や街中で困っている様子の障害がある方や高齢の方などがいらっしゃったら、「白杖の方、どうされましたか? 何かお手伝いしましょうか?」と声をかけられるのではないか?と思います。
とっても嬉しい出来事がありました。聴導犬ユーザーさんを連れて行った学校の授業終了後、2人の女の子がやってきました。恥ずかしそうにしているので、「どうしたの?」と聞いてみたら、「ユーザーさんにお手紙を書いてきました」と小さなお手紙を渡してくれました。彼女たちなりに、御礼の言葉を個別に伝えたい!→でも、声では伝えられない!→手紙書こう!ってなったのだと思います。
また、次の日、別の小学校に盲導犬ユーザーさんをお連れしたのですが、また終了後に、今度は校長先生が声をかけて下さり、「さっき授業を受けた4年生たちが、ユーザーさんに質問したいって、これを持ってきたんです。」と、手に持たれていたのはiPadでした。生徒たちは、考え、質問を手紙で渡しても読めない!と気づき、なんと!「音声データの質問」を作ってきたのです!これはすごい!学校でのiPad活用が活かされているではありませんか!!!
早速、ユーザーさんのiPhoneにAirdropで音声データを送り、後日、お返事をいただくこととなりました。こんなに柔軟に動ける子どもたち、しっかり想像力が働いている証拠です!すばらしくて、感動しました!!!
これからも、もっともっと、1人でも多くの子どもたちに、このリアルの体験を届けられるよう、頑張って行きたいと思います。パラリンピックの記憶が、子どもたちの脳裏に焼き付いているうちに…
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