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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第314【コロナ禍における人権問題―『自粛』と『自由』をめぐって】

 久々のブログになります。実は、息子の体調不良が1か月ほど続いており、その受診やら検査に振り回される1か月でした。本日の検査結果で問題なしとのことで、一安心です。

 ことの始まりは先月冒頭の運動会が終わってからでした。帰宅後の息子の顔が赤く、疲れている様子。最初は日焼けかな?それとも熱中症かな?と様子を見ていたのですが、続けて「頭が痛い」と言い出しました。そこからしばらく、微熱と頭痛が続く毎日。そこまで全身状態は悪くなく、咳や鼻水などもないので、様子を見ていたのですが、さすがにコロナ禍の現在、どこに行かせることもできなくなり、学校や習い事などをお休みさせることとなりました。

 結果として、PCR検査2回実施し、2回とも陰性。結果が出るまでは、やはり陽性だった時のことを考え、息子の行動履歴の確認や、いざという時に連絡をする先のリストアップ、確実に濃厚接触者になるであろう家族のスケジュール調整などなど・・・本当に考えることが山ほどありました。相談していた友人たちからは「大丈夫だって。このご時世誰もが発症する可能性はあるから。」と言われました。私も、逆に相談されたら、同じように伝えています。しかし、やはりいざ、当事者かも!?となった場合、もちろん「息子が悪いわけでもなんでもない」のに、「あの人とあの人にはすぐに連絡して、謝らなきゃ!」という気持ちになっている自分がいました。無意識の中に、脅迫されている感覚がありました。

 結果として陰性ではあったので、ほっとした半面、 窮屈な社会になってしまったものだ・・・と

<「ねえねえ、私たちもソーシャルディスタンス取らなきゃいけないらしいよ・・・」>

 先月、東京都人権プラザ主催のオンライン講演会の、UDトーク運用に関するサポートを実施させていただきました。

令和3年度人権問題都民講座
コロナ禍における人権問題―『自粛』と『自由』をめぐって

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため人と人とのコミュニケーションが様々な場面で制約を受けている一方、感染者等を排除する風潮や誹謗中傷する書き込みがSNSなどで広がっています。そこで、コロナ禍において自粛が要請される中、「表現の自由の意義とその限界」について人権論の視点から考える講座を開催します。参加者一人ひとりがコロナ禍における人権問題を考える手がかりとしていただきたいと思います。

https://www.tokyo-hrp.jp/lecture/lecture_2021_02.html

 UDトークの修正をしながら、講師である志田陽子教授(武蔵野美術大学)のお話を聞いている中で、非常に共感したワードがいくつも出てきました。

 先生は最後に、「共存社会の立て直しに向けて」コロナ禍の今取り組むべき課題として説明をされていました。まさに、我々が取り組んでいる社会課題も「共生社会」を掲げていますが、なるほど、コロナ禍の今、すべての人が様々な権利に何かしらの不自由を感じていたり、なかには権利を踏みにじられたり、無いものとされたり・・・様々な不均衡が社会のあちらこちらで見られてしまっている状況だと思います。それはつまり、普通の生活をするには困っていなかった多くのマジョリティと呼ばれる人びとが、マイノリティの人たちの人権や様々な権利が侵害されていることに、気づけるチャンスが、コロナ前の社会では少なかった状況だったと言えます。しかしながら、まさにコロナ禍というのは、すべての人に、多かれ少なかれの不便や不自由を与え、そして何より、『自分の責任ではないのに、様々な権利が侵害されている』状況を作り出しています。
 このコロナ禍は、過去のブログで何度か「障害の社会モデル」についてお伝えしてきましたが(第180回 続・障害の社会モデルの本当の意味・・・ https://www.caresapo.jp/relax/hojoken/28343)、この「社会モデル」という構図を全ての人が理解共有する、非常に良いチャンスでもある!と常々感じておりました。まさに、そのことを再認識できた講演でもあり、志田先生が「誰のことも排除しないシステム」の実現を、と話されていたのが、本当に今、コロナ禍だからこそ!取り組めるのだと感じました。

 まだしばらく、コロナ禍の不自由さは続きそうです。そんな中で、社会を構築する人々の人権が侵害されるようなことがないよう、社会全体で、今一度「すべての人に存在する人権」について意識を向け、まずは自らが侵害する側にならないように気を付けたいものですね。そして、ともに「誰の事も排除しないシステム」を作っていきましょう!

当会では、補助犬や障害に関わる様々なお問い合わせを受け付けております。ご相談はこちらまで↓
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補助犬よろず相談窓口
 < 日本補助犬情報センター  e-mail:info@jsdrc.jp

<TOKYO応援宣言 人も犬もハッピー!補助犬を知ってほしい!>
https://www.youtube.com/watchtime_continue=1&v=QWBC_9jWAi4&feature=emb_title

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