ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第281回【新型コロナウイルスにどう立ち向かうのか? (3)補助犬ユーザーさん・ペットの飼い主さんたちへ】
香港で、新型コロナウイルスに感染した方が飼っていた犬を検査したところ、コロナウイルスに低レベルでの感染が認められた、との報道がありました。以前のブログでも紹介した通り「普段通りの必要な衛生管理」をしていれば必要以上に恐れることはありません。ぜひペットの飼い主さんは、補助犬ユーザーさんたちの日ごろから実施されている社会参加時のマナーとしての衛生管理をお手本にしていただけると良いのではないかなと思います。
今回は、日本獣医師会や専門家の先生方との連携のもと、情報を整理してみました。ぜひ、参考になさってください。
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新型コロナウイルスの犬への感染に関して
日本補助犬情報センター 理事
入交眞巳 獣医師
2月下旬に香港から、犬に新型コロナウイルスの微弱な陽性反応が検出され、60代女性から、新型コロナウイルスが飼い犬であるポメラニアンに感染したことが考えられたとのことが報じられました。
本当に犬に人の新型コロナウイルスが感染するのか、研究を進めていく必要があるのですが、可能性があることはわかりました。
以上の報告を受け、補助犬に関してはどのような対応をしたらいいのでしょうか?
1.補助犬ユーザーが感染してしまった場合
これまでの報告によると、犬に感染があったとしても低レベルで犬に症状は出ていないようです。しかし、生きたウイルスが犬に一定期間存在はするようです。ただし、犬に感染しても幸いにも犬が健康を害することはないようです。自然に感染はなくなるものと考えられます。動物病院に来院されても検査の体制が整っていませんし、症状がなければ動物病院でできることもありませんので、ご自宅でお世話をしながら様子を見てください。もし体調不良を起こしました場合には、前もって動物病院にご連絡し、事情をお知らせしたうえで獣医師の指示に従ってください。
2.感染したユーザーが入院する場合、あるいは補助犬を感染したユーザーから隔離することになった場合
現在のところ犬から人に感染するような報告は出ていません。ただし、補助犬を預ける際には、感染リスクの高い方(高齢は、高血圧、糖尿病、抗ガン治療中の方など)、を預かり先には指定しないように注意してください。補助犬に装着する道具や補助犬と一緒にもっていくお皿などにウイルスが付着している可能性があります。洗濯や消毒に関しましては以下をご参考になさったうえで、消毒の後、預かり先にお持ちください。
- 【厚生労働省】
ご家族に新型コロナウイルス感染が疑われる場合
家庭内でご注意いただきたいこと ~8つのポイント~
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf
3.自分の補助犬が感染したのではないかと心配な場合
ペットからペットへの感染は報告されていませんので、ご自身が感染者でない限り心配する必要はないと思います。ご心配な場合は、人ごみに連れて行かないなど感染のリスクを減らすようにしましょう。外出の後はお洋服や器具は消毒すると安心です。また体も普通の方法でよいので、ふいてあげましょう。
4.飲食店などのお店で補助犬から新型コロナウイルスを店内に持ち込むことはないか?
から人への感染は報告されていません。また、ユーザーの方が感染者でない限り、補助犬がウイルスを多くつけていることはありません。通常通りにお店に入れても問題ありません。今まで通りの対応で問題ありません。
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☆ 日本獣医師会からの最新情報はこちら:【新型コロナウイルス感染症に関する情報】
→「ペットの犬に低レベルの新型コロナウイルス感染が見られた」とする香港政府の発表について
http://nichiju.lin.gr.jp/covid-19/
☆ 獣医師の山下貴史先生が非常にわかりやすい資料を作成下さったので、先生からご許可をいただき、紹介させていただきます!
世界的危機を迎えた今、私たち1人1人が最大限できることをやり続ける! そして、多様性のある連携のもと、乗り越えたいですね。とにかく、1日も早く平穏な日常が取り戻せることを、祈るばかりです。
必要な人に、必要な情報が届きますように・・・
まずは1人1人ができることを! そして、力を合わせてまいりましょう!
以下、視覚に障がいのある方へ、ページ内で紹介している獣医師の山下貴史先生作成のPDFデータの内容テキストを紹介します↓
※1 タイトル「犬と猫と人と…新型コロナウイルス」
3月13日台湾プレスリリース内容追加しました。
3月18日隔離されていたわんこが亡くなったことを含めて一部言い回しを改善しました。
やました たかし
※2 コロナウイルスの種特異性は高い
コロナウイルス亜科
SARS関連コロナウイルス(SARSr-CoV)
■SARSコロナウイルス(SARS-CoV):重症急性呼吸器症候群(SARS)の病原体
■2019新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)COVID-19の病原体
※3 忘れちゃいけない大前提
コロナウイルスの種特異性は高い
つまり 動物種を越えて他の動物種に感染することは、ほとんど無い
あくまでもコレが基本!
※4 SARSまでは…それで良かった
動物種を越えて 感染・発症・重篤化させる
コロナウイルスの誕生が21世紀になって続いている
※5 人と動物にうつるコロナウイルス
1100年代 SARS前
印象 動物←→人で感染できるコロナウイルスは基本的に無い
2002年11月 SARS
印象 動物←→人で感染できるコロナウイルスが出てきた(でも稀)
2019年12月 COVID-19
印象 新型コロナウイルスの挙動は未定(3/18)
※6 今回のケースin香港
犬:17歳の小型室内犬
ご家族:60歳女性 香港の85症例目
経過と行動(人・犬)
2月12日咳が始まった
2月18日MOMOサロン→JW Marriotホテル(宴会)
2月20日発症(香港療養所の病院?)
2月23日ヨットクラブのレストラン
2月25日クイーンメアリー病院へ移送
2月25日犬を保護(隔離施設@港珠澳大橋の香港港)
2月26日1回目検査…陽性:鼻腔粘膜・口腔、陰性:直腸
2月27日深夜(28)日…プレスリリース第一報
2月28日2回目検査…陽性:鼻腔粘膜・口腔、陰性:直腸
3月2日3回目検査…要請:鼻腔粘膜、陰性:口腔・直腸
3月3日1回目抗体検査(血清)…陰性
3月4日夜…プレスリリース第二報
3月8日女性退院
3月12日夜…プレスリリース第三報
3月14日犬がご家族の元へ帰る
3月16日犬がお亡くなりに…(新型コロナウイルスとは関連の無い死因)
※7 今回のケースin香港 つづき
今のとこ 犬は感染源にならない
…ご家族や環境からの受け身
…犬からの感染は無さそう
可能性① ご家族から環境汚染の1つとしての犬への感染・定着(逆の感染は今のところありえない・考えづらい)
可能性② ご家族から直接犬への感染・定着(逆の感染は今のところありえない・考えづらい)
犬から外の世界(社会)への感染は、今のところありえない・考えづらい
外の世界(社会)から犬への感染は、不明(情報不足等)
※8 今回のケースin香港 つづき
専門家のコンセンサス(香港の専門家+OIE国際獣疫事務局)
「犬の感染レベルは低く、人から動物への感染ケースの可能性が示唆される」
つまり、新型コロナウイルスは人から犬にうつる ことがある・・・ということ。
いまのところ…世界中で唯一の例です
※9 今回のケースin香港 つづき(全体像)
他の動物たちのケース 3月18日現在
犬 3例
・A…陽性(感染源にはならない程度)
・B…陰性
・C…陰性
猫 1例
・a…陰性
※10 今回のケースin香港 つづき (ここ、今日のポイントです!)
現時点で、犬と猫について
・新型コロナウイルス感染症になった
・感染源になって人に広げた
なんてことは全く知られていません。
・猫については
感染すら知られていません。
※11 今、私たちにできること
ご家族にコロナウイルス感染や、その疑いがない場合
ペットに関しては、普段の健康管理・環境づくりと栄養 が大切
・室内飼育の犬や猫はいつもどおりでOK!
・できれば猫は外に出さないで
・近所の散歩も大丈夫です→家に帰ったら足を軽く拭くのも良いかも
室内環境としては、適切な湿度管理と換気が大切
家族全員の普段の健康管理、十分な睡眠と栄養が大切
手洗い・手指消毒、咳エチケットで感染を防ぎましょう
大切なのは
・発熱など体調が良くない時は外出は控える
・公共交通機関や人混みを避ける(特に高齢者や持病のある人)
※12 今、私たちにできること
ご家族にコロナウイルス感染や、その疑いがある場合
さっきの(疑いがない場合)プラス
犬や猫たちを守るために、できるだけ接触を避けましょう!
食事等の準備をしなければいけない場合には、まず手洗いとマスクをしてから!
動物病院に行く必要がある場合は、別の人が連れて行く場合でも、
まず動物病院に電話連絡しましょう!
ワクチンなどは急ぐ必要がないので、後日で良いでしょう
待合室等で感染が広がって動物病院がクラスタになってしまうと、すべての診療ができなくなってしまいます。
■感染者に関することは「人医療情報」を参考にしてください。
※13 今、私たちにできること
犬や猫を町で見かけた時には
安心して(いつものように)そ~っとしておいてあげてください。
・犬や猫が感染源になることはありません。
・犬や猫からウイルスが誕生することもありません。
・どっちかっていうと…人からうつしちゃうことが無いようにしなきゃ!
街で出会う猫、散歩してる犬、補助犬たち・・・
※14 まとめ 2020年3月12日バージョン
「人→犬や猫」で新型コロナウイルスがうつることがあっても
「犬や猫が発症してしまう」とか
「犬や猫→人」で新型コロナウイルスがうつることの可能性は
極めてゼロに近いと今のところ考えられています。
今は決めつけず慌てず様子見で。
まだあわてるような時間じゃないよ…
※15 まとめ 2020念3月18日バージョン
気をつけるべきことは犬や猫と関係ないことで、ご家族の皆様ができるだけ感染しないように
・普段の健康管理としての睡眠や休養と栄養
・日頃からの手洗いや手指消毒など
など、みんなが気をつけたいこと。
それだけで、愛する家族である犬や猫に迷惑をかけないですむことに繋がります。
ご寄付に関しまして
寄付サイトをご覧下さい。
<TOKYO応援宣言 人も犬もハッピー!補助犬を知ってほしい!>
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=QWBC_9jWAi4&feature=emb_title
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【障害者支援】補助犬を知っていますか 差別解消に向け理解を広げたい
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是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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