ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第39回 『補助犬同伴可シール』入り口に貼ってなくても入れる???
サッカーワールドカップの観戦で、寝不足の方も多いのでは? できれば、日本代表をもう少し応援したかったですね~♪ ま、また4年後に期待しましょう! その前にオリンピックもありますしね♪ さて、7/11(金)7/12(土)には、今年も「YOTEC2014」がパシフィコ横浜で開催されます! 障害者のことを楽しく、たくさ~ん学べる、凄いイベントです。入場無料! 子ども達の遊べる場所もたくさんあります♪ また、今年も介助犬・聴導犬デモンストレーション実施します♪ ぜひ、遊びにいらしてください♪
さて皆さん、このシール、見たことありませんか?
「Welcome!ほじょ犬」と犬の顔のマークが書かれており、その下には「法律により盲導犬・介助犬・聴導犬は同伴できます」と記載されています。
しかし、『このシールが貼ってあるお店だけ、補助犬の同伴が可能』と、間違った解釈をしておられる方も、まだまだおられます。「補助犬が入れるお店、増えてきましたよね?」という質問を受けたりします…。違うんです。このシールはあくまでも【啓発】の意味をこめてわざわざ貼っていただいているだけで、法律があるのですから、貼っていなくても、不特定多数の方が利用する施設や公共交通機関は同伴が可能なのです。。。この情報が、まだまだ常識となっていないのが問題なのです…(涙)
最近、大手スーパーや、ショッピングモール、デパートなどに行きますと、館内放送で「身体障害者補助犬法に基づき、盲導犬・介助犬・聴導犬の同伴は可能です」という案内が流れることが増えてきた気がします。皆さん、気づいていましたか? 私は職業柄(!?)それを聞いたり、店舗入り口に同伴可シールを見つけると嬉しくなったりするのですが(うちの子どもたちは、シールを見つけるとすぐに教えてくれます♪)、すごく増えた気がする一方で、まだまだ同伴拒否はなくならない…これってどういうことだろう?と考えてしまいます…
身体障害者補助犬の受け入れ=身体障害者が連れている犬の受け入れ? というイメージが強いのではないでしょうか? なかなか、法律の内容・趣旨が理解されることがないままに、「補助犬を受け入れて!」というメッセージだけが一人歩きしてしまっている気がしてなりません。
でも、そうではないのです。皆さんにご理解いただきたいのは、「補助犬を受け入れる」=「補助犬を同伴する身体障害者を受け入れる」ということなのです! 同伴拒否を受けた障害者の方が、どんな思いをされるか…考えてみていただきたいです。我々健常者には想像もできない努力と苦労の上に、勇気を出して社会参加されているのに、それを断られたら…そしてその理由が、「自分の身体の一部のような存在でもあるパートナーの補助犬」だったら…それはとても悲しく、つらいことなのです。全国の補助犬ユーザーさんたちは、多かれ少なかれ、そんな経験を繰り返しておられます。。。
昨年には、障害者差別解消法という法律も施行されました。
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【障害者差別解消法】が施行!!!
- 国連の「障害者の権利に関する条約(仮称)」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、すべての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定されました(施行は一部の附則を除き平成28年4月1日)。
このシールは、シンシア基金制作のシールです。赤いハートマークがかわいい印象で、厚労省のブルーとはまた違う親しみやすさがあると好評です。当会でも、ご希望いただければ在庫から送付しております(送料の実費のみご負担いただきます。HP内に請求フォームもありますし、メールでご連絡いただくことも可能です。info@jsdra.jp)。
こちらにも書いてある「Service dog welcome!」つまり「ようこそ補助犬!」という気持ちに、社会全体がなってくれれば、どんなに補助犬ユーザーにとって優しい社会になるでしょうか? 街に補助犬がいるのが当たり前。補助犬も障害者もみんな笑顔。そんな社会は、障がいがあるないに関わらず、すべての人に優しい真のUD(ユニバーサルデザイン)社会になると思います。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催!は、わが国がいかにUD社会として成熟しているかが問われます。お・も・て・な・しの社会は、その時だけできるものではないと思います。2020年がゴールというわけではなく、2020年には自信をもって【日本はUD先進国です】と紹介できるよう、国民全員で取り組んでいきましょう!
そのためにまず、誰もができることは、「知ること」。補助犬のこと、身体障害者のこと、知ってください。まずはそこから、すべてが始まります…
厚労省では、様々な啓発データを配信中。さて、次週は、「いろんなマークについて…」です。お楽しみに♪
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。