ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
-
NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第244回【障害者×趣味・・・???】
先週、板橋区からご依頼をいただき、街づくり研修の流れの1コマとして、「補助犬理解から見えてくる街づくり」ワークショップを実施してきました。盲導犬ユーザー2名、白杖使用者1名、聴導犬ユーザー1名にご協力いただき、チームに分かれてのコミュニケーション&街歩きフィールドワークを企画しました♪
参加した補助犬たちはさすが!敷かれたマットの上で安心してリラックス♪そして時折、今日は何の勉強?と一緒に参加しているような様子もあり、会場を和ませてくれていました。
最初、私から障害者を取り巻く現状と課題をお話させていただきました。内閣官房の検討会で、多くの当事者団体の皆さんと力を合わせて作成をした「心のバリアフリー」を学ぶアニメーション教材を使わせていただき、2020年に向けてインクルーシブな多様性ある社会の理解と実現に向けた説明をさせていただきました。続けて補助犬3種の説明をした後に、グループワークです。
グループワーク冒頭のアイスブレイクで、当事者の方の自己紹介と趣味を話していただきました。参加者の皆さんはほとんどが「障害がある方と関わった経験が無い」方々でしたので、最初は表情固め。。。 しかし、各人の趣味を聞き、「へ~!」と驚きの声が続出。そう、この「へ~!」という純粋に驚いたり、気付いたりした気持ちを大事にして欲しいな~と思っております♪ きっと、視覚に障害がある方が、演劇や映画に興味をもっていることや、フリーダイビングやスキーを楽しんでおられるとは、想像もしたことがなかったのでしょう。聴覚に障害があるお母さんが、PTA会長をするなんて・・・きっと、今までの価値観では考えられなかったのだと思います。
そんな、素敵な「へ~!」がいっぱいの空気に、会場はとっても活気付きました。
そこから街歩きに向かったのですが、あいにくの雨模様。区役所内をアテンドすることとなりました。
皆さん緊張で肩に力が入りながらも素敵なアテンドをしてくださいました♪
区役所の総合案内に行ったり、売店に行ったり、トイレに案内したり・・・様々な初めての体験にまたまた「へ~!」がいっぱい。どのグループも笑い声も混じりながらの、素敵なアテンド体験となりました。
体験が終わって戻ってきた頃には、すっかりグループとしての結束力も強くなっており、更に質問が活発に。終了後のグループワークでは、あちらこちらから、「知らない事だらけだった」「とても明るく前向きなのが印象的だった」「自分の価値観が変わり、モチベーションが根底から覆された。自分が悩んでることってなんてちっぽけなんだろう・・・」という感想が続出。ほんの、3時間と言う短い時間ではありましたが、その時間を同じ空間で共に過ごしたことで、今までの概念では「障害者」のカテゴリーだった人が、セミナー終了時には「目の前に居る○○さん」という1人の“人”としてとらえられていたのではないでしょうか。参加者全員が、そんな風に感じてくださっていたら、当会が企画したセミナーとしては大成功だったかな?と感じています。
もちろん、障害のある方が、みんな「前向きで明るい!」ということではありません。それは当日もユーザーさんの言葉として「私は自分の障害をこんな風にとらえているが、すべての障害者がそうであるわけではないので、理解してください」と話されていました。そういえば、先日宝塚市で開催された補助犬シンポで、全盲の漫談家:濱田裕太郎さんが「僕にパラリンピックを目指さないんですか?と聞かれるけど、障害者が全員パラリンピック目指すわけじゃないんで!」とネタにされていました。そりゃそうですよね、障害が無い人全員がオリンピックを目指さないのと、全く同じですよね。
障害がある方と、まずコミュニケーションをとる。全てはそこからです。素敵なコミュニケーションが生まれれば、その瞬間から、見えていた景色が変わるはずです。 皆さんも、是非体験してみませんか?
当会では、補助犬ユーザーさんたちとの素敵なコミュニケーションが生まれるイベントや研修を各地で開催しております。是非、ご参加いただき、そこでの実感や体験を、多くの方に伝えていただきたいな~と思っております。
11月の後半から、イベントや講演ラッシュです!是非、お近くの皆様、足をお運びください♪皆さんの今見えている景色がどんな風に変わるのか?その先に、どんなに素敵な社会が実現するのか?我々と一緒に、楽しみながら変えて行きましょう♪
<今後の予定>
******************************************
講演テーマ「2020インバウンド市場における身体障害者補助犬に関する現状と課題」
- 日時:2018年11月28日(水)18:30~20:30
*申込は11月26日(月)までに参加申込みフォームよりお申込ください - 場所:全日通霞が関ビル4階 JATA研修室
- 参加費:1,000円(学生:500円)※学生の方は学生証をご持参ください。
お申込 お申込フォームよりWeb申込みとなります。
2002年に成立・施行した「身体障害者補助犬法(以下、補助犬法)」により、盲導犬・介助犬・聴導犬の3種の認定を受けた犬達を同伴して、ユーザーである障害がある方々は、様々な場所への社会参加のアクセス権が保障されました。ただ、法施行から16年が経つ現在であっても法の周知は十分ではなく、全国で同伴拒否が後を絶ちません。
2016年に施行された障害者差別解消法でも、補助犬同伴拒否は差別的取り扱いとされ、大きな人権問題になっています。また、近年、課題として注目されはじめたのが、「海外の補助犬ユーザーの受け入れ」に関する問題です。補助犬法は国内法であるため、海外の補助犬には適用されません。
2020年に向け、海外からの補助犬ユーザーも増加すると思われる中、わが国がどのように海外の補助犬ユーザーを受け入れることができるのか?世界中から、日本が障害者の権利をいかに支えているか?が注目されている中、最前線で取り組みを進めておられる2つの企業の方をお招きして、実際の事例紹介もしていただきながら、今すぐに始められる取り組みのヒントを探って行きたいと思います。
- 講演者:橋爪 智子(はしづめ ともこ)
特定非営利活動法人 日本補助犬情報センター 専務理事兼事務局長 - パネリスト:中村 さおり(なかむら さおり)
株式会社京王プラザホテル 宿泊部 客室支配人 - パネリスト:黒沢 直子(くろさわ なおこ)
JAL旅客営業サポート部
******************************************
- 日時:2018年11月30日 (金)
- 時間:13:00 開始 / 18:00 修了
- 会場:YCC ヨコハマ創造都市センター(神奈川県横浜市中区本町6丁目50−1)
- アクセス:みなとみらい線 馬車道駅 1b出口直結
- 参加費:無料
- 定員:120名
- 主催:横浜市経済局
- 運営:関内イノベーションイニシアティブ株式会社
私たちが直面する社会課題が年々、多様化・複雑化してきている社会変化を踏まえて、次世代のソーシャルビジネスに必要な視点などを学び・考え・交流しあうイベント。課題解決に向けたソーシャルビジネスの捉え方も昨今大きく変化し、領域の広がりをみせるなか、「ネクスト」時代を切り拓くソーシャルビジネスについて、このイベントをきっかけに考えましょう!
※市内事例報告で、当会橋爪が登壇いたします。
- 13:00~13:10 開会(12:45開場)
- 13:10~14:10 基調講演:『ともにしあわせになるしあわせ-1000万人で未来を変える-』
矢崎 和彦氏 - 14:15~14:55 市内事例 2事例(各20分×2)
- 14:55~15:15 休憩・ラウンドテーブルの会場に移動
- 15:20~16:30 ラウンドテーブル
- 16:30~16:50 休憩・会場移動
- 16:50~17:30 振り返りと共有
- 17:30~18:00 交流会
******************************************
- 日時:平成30年12月1日(土) 1.13:00-13:45 2.16:00-16:45 (2回ステージ)
- 会場:阪急うめだ本店 9階祝祭広場(大阪市北区角田町8-7)
補助犬たちと、お待ちしておりま~す♪
#補助犬 #ほじょ犬 #盲導犬 #介助犬 #聴導犬 #がんばれ補助犬 #当たり前 #補助犬同伴拒否0
------------------------------
是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
-
当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。