ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第189回 障害者施設殺傷事件から1年・・・大切なのは受取り側の感受性
先月、相模原障害者施設殺傷事件から1年が経過し、いくつか報道を目にしました。被告人の新たなコメント等も紹介されましたが、報道の中では時間の関係もあり、一部分しか取り上げることができず、この報道を見た人はどう思うのだろうか?ということや、この報道で何を伝えたいのだろう?など、様々な疑問が沸きました。自ら動いて真実を探しに行かない限り、正しい情報が得られない世の中。あなたの情報の入手の仕方、捉え方を、今一度、見直していただきたいと思います。そして是非、テレビやネット上の言葉だけではなく、「当事者の言葉」を直接聞く機会を作っていただきたいです。真実は、そこにあると思っています。
昨年の当会Facebookに、私は下記のコメントを書きました。1年経った今、改めて読み、何も変わらず同じ事を伝えたいと思います。ただ、ということは1年前と何も変わっていない、障害者差別解消法が施行されて1年以上経ちますが、いまだ周知されていない、という悲しい現実にぶち当たっています・・・
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2016.7.28 日本補助犬情報センターFacebook投稿
まずは、この度の津久井やまゆり園においての事件を受け、犠牲となった方々のご冥福をお祈りいたします。ご家族や関係者の方々のお気持ちを思うと、ただただ、やり場の無い憤りに苛まれます。
まず、いなくなっていい命は1つも無いこと。障害のある無いに関わらず、命の重さは同じであること。これだけは、当たり前に理解していただきたいです。
これからのUD教育、バリアフリー教育のあり方を、真剣に見直さないといけないと感じました。
今回の容疑者の発言に、全国の障害のある方々が、非常に不安な気持ちになっておられます。社会全体で、決してそんなことは無いこと、みんな違ってみんないいことを声を大にして伝えて行きたいです。
今年4月に施行された障害者差別解消法では
『相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会』の実現を目指しています。
私は、多くの障害のある方々から、本当に多くの事を学ばせていただいています。決して、障害者=弱者では無いのです。コミュニケーションが取れないと思える方も、それはこちら側の尺度で考えるからであり、それぞれのコミュニケーション方法があるはずなのです。
そして、障害者の問題は、全く関係の無い人たちの問題ではなく、いつ、自分または自分の大切な人の問題になるかもしれない、ということ、忘れないでいただきたいです。
リンクは全国手をつなぐ育成会連合会からの声明文です。多くの方に届きますように…
文責 橋爪智子
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1年経った今、犯人が改めて「意思疎通できぬ人刺した」と手紙に書いたとの報道を目にし、まだ、そこのレベルから抜け出せないでいる事実を知りました。きっと、理解することはこの人には無理なのだと思います。その理解が出来るセンスを持ち合わせる教育を受けてこなかった、その環境に無かった。。。
とても残念なことです。大切なのは「受け取る側の感受性」なんです。爆笑問題の太田氏がラジオ番組でこのようにコメントされました。「彼(犯人)が殺害した人たちの方が、よっぽどコミュニケーションしてるんです、人と。そこが僕はね、一番大事なことだと思う。」(2016年9月27日放送TBSラジオ系『爆笑問題カーボーイ』http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-13323.html)
コミュニケーションとは、言葉だけの問題ではありません。母親になって特に実感しましたが、赤ちゃんとのコミュニケーションはもちろん言葉ではありません。表情、声、体温、動き、そのほか全ての感覚的情報から、母親は赤ちゃんの心理を読み取り、コミュニケーションを図ります。そこから愛情も伝わります。犬も同じ。非言語コミュニケーションですから、犬の表情や動き、姿勢やシッポの位置に到るまで、補助犬ユーザーさん達は自分の全ての感覚を使って読み取り、パートナーである犬とのコミュニケーションを図っておられます。そういう意味では、補助犬ユーザーさん達というのは、コミュニケーションの達人でもあるな~と感じています。
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障害者理解の第一歩には、とても良いイベントが開催されます。是非、遊びに来て、補助犬ユーザーさんたちの話を聞いてみてください。今まで見ていた風景が、きっと新しく感じる気づきがありますよ♪
補助犬達と待っています!!!
京王プラザホテル労使共催
第14回チャリティイベント『ボランティア・プラザ』
http://www.keioplaza.co.jp/corporate/csr/birdseye/vp.html
- 日時:2017年8月28日(月)10:30~16:00
- 会場:京王プラザホテル(新宿)本館43階宴会場/ボランティア・プラザ総合受付
- 同日開催:手話歌コンサート 19:00~20:30 チャペル グラスシェル
駅やホテルでの盲導犬ユーザーサポート体験 【初開催!】
- 時間:(1)13:00~/(2)15:00~(各回約30分)
全日本盲導犬使用者の会の皆様にご協力いただき、京王電鉄の駅係員や京王プラザホテルのスタッフと一緒に駅のホームやレストランのシーンでのサポートやサービスの体験をしていただけます。本物の駅員さんやホテルマンが、直接レクチャーしてくれる、またとないチャンスです!!!お子様の夏休みの学習機会にも是非ご利用ください!
- 協力:全日本盲導犬使用者の会、特定非営利活動法人 日本補助犬情報センター
補助犬デモンストレーション
- 時間:(1)12:00~/(2)14:00~(各回約50分)
盲導犬や介助犬、聴導犬の役割などについて、わかりやすくデモンストレーションを行います。3種の補助犬のお仕事を一度に見られるチャンスはなかなかありません!
各補助犬のチャリティグッズ販売もあります♪ 是非、この機会に足をお運びくださいませ♪
- 協力:特定非営利活動法人 日本補助犬情報センター、公益財団法人 日本盲導犬協会、
社会福祉法人 日本介助犬協会、一般社団法人 日本聴導犬推進協会
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当会の活動を動画で紹介していただきました!現状の『補助犬を取り巻く課題』を知っていただけるととても嬉しいです♪ ⇒ https://gardenjournalism.com/project/hojoken/
是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会をさらにさらにステキに変えていって下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。