ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第176回 補助犬法のお誕生日は?
さて、補助犬法のお誕生日ってご存知ですか?
毎年、このブログでも紹介させていただいているので、ご覧になった方もおられるかもしれませんが・・・1か月後に迫りました、5月22日なんです♪
今から15年前の2002年5月22日、国会議事堂にて、満場一致で成立したこの身体障害者補助犬法、本当に多くの当事者の悲願の法律でもありました。
「アクセス権」はなかったんです・・・
2002年5月22日に補助犬法が成立するまで、法律に単語として存在したのは、「盲導犬」だけでした。しかも、道路交通法。そこにはこう記されています。
<1978年(昭和53年)道路交通法>
第十四条 目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。
ようは、道路交通上、安全のために白杖をついて歩くか、盲導犬を連れて歩きなさいということ。その中で、公共交通機関の同伴利用も、施設・店舗等の同伴利用も、全く保障されたものではありませんでした。
では、その当時の盲導犬ユーザーさん達は、どのように社会参加していたか???
結局は、社会の好意により、たまたま受入れてもらっていた状況だったのです。ということは、受入れ社会も訓練関係者も、相当な努力と話し合いにより、そして何よりも当事者であるユーザーさん達の努力と働きかけの上での社会参加でした。本当にそれはそれは、計り知れない苦労があったと思います。
そんな苦労話を、最近のベテランユーザーさん達は、笑顔で語ってくださいます。「昔は、こんなだったよ・・・」と。そして、「今は補助犬法ができたことで、法律の後ろ盾ができ、こんなに心強いことはない・・・」とも話してくださいます。
補助犬ユーザーをサポートする立場の人間として、その言葉はとてもうれしいとともに、だからこそ『身体障害者補助犬法』自体を、もっともっと日本全国の方々に広げて伝え、真の理解の上の実効性を持たせられるよう、さらにさらに頑張らないと! と心新たにする思いです。
そんな、関係者の想いが集結するのが、年に2回、5/22の補助犬成立記念日と、10/1の補助犬法施行記念日です。全国各地でイベント等行われると思いますので、皆さん是非とも足を運んでいただき、補助犬について知り、そして補助犬ユーザーさん達の想いに触れてみてください。きっと、新たな気付きを得て、皆さんの翌日からの世界が大きく変わりますよ♪
毎年5月22日には、当会が事務局を務めます『身体障害者補助犬を推進する議員の会』がシンポジウムを開催いたします。今年は平日の月曜日ではありますが、是非ともご都合調整の上、ご参加くださいませ。全国から補助犬ユーザーさん達もお集まりになられます。今年は『障害理解の最前線』をともに学びます。皆さんの生活の中でも、職場でも、様々な場面で行かせるエッセンスがたくさん得られると思います♪
補助犬イベントのお知らせ
2017年5月22日 身体障害者補助犬法成立15周年記念
【ほじょ犬の日】啓発シンポジウム
「障害者理解の最前線 ~障害の社会モデルを知る~」
会場:衆議院議員会館
参加無料・手話通訳あり・要約筆記あり
第1部 10時30分~12時00分
基調講演&ワークショップ(仮)
星加良司(東京大学大学院教育学研究科付属バリアフリー教育開発研究センター・専任講師)
第2部 13時30分~15時00分
「補助犬同伴の社会参加について~相互理解の観点から~」(仮)
パネルディスカッション
※詳細が決まり次第、当会FacebookやWebsiteで紹介してまいります。
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。