ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第146回 いざという時、あなたは行動に移せますか??? 続編
先週に続いて、私達にできることを考えてみたいと思います。
※ 一部の訓練事業者さんでは、右持ち左持ちのスイッチ歩行ができるような訓練をされている場合があります。
【線路 ⇒ 盲導犬 ⇒ 視覚障害者(ホーム中央寄り)】の順が正しいです。
先日お会いした盲導犬ユーザーAさんが、ご自身の実体験をお話してくださいました。
初めて乗り降りする駅のホームでは、必ず駅員さんのアテンドを受け、改札から乗車するまでサポートしてもらいます。ただ、いつも利用する慣れている電車のホームでは、アテンドなしでも歩けるので、単独歩行をしています(その駅は島式の左右に線路があるホーム)。
ある日、いつもの駅の左側ホームに来る電車に乗り込む予定でした。乗換えを考えた時に、先頭の車両に乗りたかったので、ホーム左端の警告用点字ブロックを確認しながら歩いていました。すると・・・点字ブロックの途中に、人が立っていたようで、盲導犬が右に人を避けて進みました。しばらく行くと、また人が立っていたようで、また右に人を避けて進みました。それを何度か繰り返していると・・・「あなたの右側が線路ですよ!」と声をかけられて、「ハッ!」として、しばらく立ちすくんでしまいました・・・。
そう、点字ブロック上の人を避けて避けて・・・と繰り返している間に、どうやらホーム右端まで来てしまっていたようで、自然に全く逆に方向を勘違いしていました。
そんな体験をされたことがあるAさんと一緒に、今回の事故現場で手を合わせ、改めて状況を確認して来ました。とても古く、狭く、音の反響が大きな、非常に難しいホームだと感じました。Aさんが後日、このようにメールをくださいました。
「この度の転落事故が起こった駅ホームに立って、本当に胸迫る思いがありました。ほんの一瞬のことですが、私は右足を宙にけらないですんで、ここに立っています。彼は左足を宙にけって線路に転落、虹の橋を渡ってしまいました。この大きな差は・・・・・・?
今さらながら思うことは、私たちの国は基本的な大切なものをどこかに置き忘れてきてしまったのかということです。。。」
日本が置き忘れてきてしまった『大切なもの』をもう一度、取り戻せるよう、「補助犬」を通した教育やUD情報の提供に、今後も力を入れて活動を続けて参りたく思っております。応援よろしくお願いいたします。
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。