メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第137回 よくわかる!補助犬同伴受け入れ方特集!~基礎編3~

 さて、基礎編の最後は『聴覚障害者』への応対です。皆さん、今日の通勤や通学途中、聴覚障害者と出会っていませんか? きっと、自信持って答えられる方はおられないと思います。
 内閣府の障害者白書によると、聴覚障害者34万人と報告されています。その中でも『聴覚障害者』は外見上見てわからない障害です。“見えない障害”を“見える障害”に変えてくれる聴導犬のことを知っていただければ、もっともっと、スマートな応対ができるはず。

“見えない障害”→“見える障害”に変えてくれて、ありがとう♪

 基礎編1では、盲導犬ユーザー・視覚障害者対応について基礎編2では、介助犬ユーザー・肢体不自由者について( )簡単にご紹介しました。
 今回は、聴導犬ユーザー・聴覚障害者対応についてご紹介します。

聴導犬ユーザー・聴覚障害者への対応

 聴覚障害は見た目では気付きにくいので、当事者の方から申し出があって初めてわかる場合が多いです。ただ、聴導犬を連れていれば聴覚障害者であることが認識できます。その上で、必要なコミュニケーションをとりましょう。

聴覚障害者とのコミュニケーション

 「お手伝いできることはございますか?」と正面から声をかけ、必要なサポートを確認します。(※これは全ての補助犬ユーザーに共通)その際の方法として、口話、筆談、手話などがあります。

 口話は、正面から口をはっきりあけてゆっくり話す方法で、聴覚障害者が口の動きを読み取ってコミュニケーションをとることができます。その時の注意として、下を向いて話したり、マスクや手で口を覆ったりしないよう、気をつけてください。最近では、【透明のマスク】なども見かけるようになりましたね♪

 口話で伝えることが難しい場合もありますので、その場合は、筆談をするなど、当事者の方が必要とされるサポートをお願いします。
 もちろん、手話を勉強していただき、簡単な挨拶を手話でしていただけるだけでも、手話を第一言語とされている聴覚障害者の方々にとっては、とてもとてもうれしいサービスです。ただ、実際に全ての聴覚障害者が手話を使っておられるわけでもありませんので、そこは逆に「手話ができないから話せない…」と臆せず、口話や筆談でコミュニケーションをとっていただければ、と思います。(https://www.caresapo.jp/kaigo/hojoken/pd4fc8000000etoh.html

 例えば、メニューを見てもらいながら、指差しだけでも十分にコミュニケーションは取れます。

(例)メニューのほしい箇所を指差して、続けて指で数字の「1」を表されたとします。STAFFは改めて、メニューの指差された箇所を指差し、数字の「1」を表して確認する。ということで、「このメニューを1つ。」ということがわかります。片手でOKサインを出せば、それで会話完了です。

 こんな風に、手話ができなくても、筆談をしなくても、ジェスチャーで十分対応可能なのです。

 私が以前、聴覚障害のある友人と利用した、オシャレなフレンチのお店では、聴覚障害のある方が来られるということで、お料理の食材や調理方法をイラストとコメントつきで紙に用意してくださっていました。
 聴覚障害のある友人はそれはもう大感激!!!「いつも、シェフが口頭で説明されるシーンは多々あっても、その意味がわからなかったり、読み取りにくかったりしても、忙しそうにされているので遠慮して質問できなかった。でもこれならとってもわかりやすいし、質問もしやすい! みんなと一緒にお料理を堪能できて、こんな経験は初めて~♪」と・・・

 また、以前のブログでも紹介しましたが、飛行機の機内アナウンス情報を、機長の手書きカードでもらわれた聴導犬ユーザーさん。もちろん、情報保障の観点からは必要な合理的配慮なのですが、過度な負担にならない程度で手書きしてくださり、最後の「それではどうぞ、到着までお過ごしください」の言葉がうれしい♪ 音の情報が入ってくる私達にとっては、当たり前に入ってくる言葉・情報が、こんなにもうれしい特別なことになる。そんな当事者の立場を少し想像していただければ、日頃の応対の中でも、ちょっとした工夫でとっても素敵なコミュニケーションが生まれるのだと思います♪

 前回もご紹介した、こんなシールを貼って素敵にスマートにアピール♪

 こんなオシャレなシールでさりげなく、Welcomeな意思表示♪

 「筆談等で対応いたします♪ 是非ご利用ください。」「段差はあるけれども、お手伝いいたします♪ 是非ご利用ください。」「補助犬同伴で是非ご利用ください♪」という気持ちが伝わります。
 当事者の方々も、その意思表示に安心して利用する事ができます。つまり、ファンが増えるのです♪

お知らせ

 FMヨコハマで「補助犬」のお話をさせていただきました♪ パソコンやスマホでも聞けるので、宜しければ是非ともお聞きください♪

http://www.jsdrc.jp/event/20160704_radio_yokohama/
2015年07月04日(月) 13:50~14:00
(ラジオ局)FMヨコハマ
(番組名)ファンケル ヨコハマなでしこ!

聴取エリアは、神奈川県全域と東京都、千葉県、埼玉県、静岡県の一部ですが、ご都合の良い方は、是非お聴きください。

(備考)パソコンやスマートフォンで聞く方法
http://www.fmyokohama.co.jp/pc/topics/detail/info_radiko/

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

JSDRC(日本補助犬情報センター)ロゴ