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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第135回 「知らない」から「知ってる」へ

 今年の4月から【障害者差別解消法】が施行されたこともあってか、ここのところ「補助犬受入れセミナー」に対するお問合せが多数寄せられており、うれしい悲鳴です。
 今まで考えておられなかった方々が、まずは関心を向けてくださった証拠。大切に、丁寧に、相談に乗っています。


 今月だけですでに3箇所の商業施設さんでセミナーをさせていただきました。皆さん、補助犬に関するセミナーは初めて。もちろん、「補助犬には3種類のお仕事をする犬達がいます」という基本的なところからのお話になります。

 セミナーの初めに、必ず聞きます。「身体障害者補助犬法という法律があるのをご存知の方~?」と・・・。今月3回のセミナー・・・ほぼ全滅でした・・・。100名の会場で、お1人だけ手を上げてくださった方がおられましたが、その方が貴重な唯一「補助犬法を知っている人」でした。改めて、当会の14年の活動も振り返りつつ、これではダメだ・・・と反省。。。

 3回のセミナーで230名ほどの接客業の方々に、「補助犬法という法律があること」「3種の障害者をサポートする犬達が居ること」「その補助犬と障害者のペアは、法律によって認められたペアであること」そして「障害者の問題は、自分とは全く関係のない人の問題ではなく、自分や自分の大切な誰かの問題であること」「必要なのはたった1つ『何かお手伝いしましょうか?』の一言」などを丁寧に伝えさせていただきました。

 ユーザーさんのお話の中で、「補助犬が来てくれたことで、自分が思っていた以上に行動範囲が広がった! 外出する勇気をもらった!」というお話がありました。でも、その行動範囲が広がるきっかけを作ってくれた補助犬なのに、その存在や意義を、まだまだ社会が知らないことで、結局「同伴拒否」を受けてしまい、お店の利用ができない→行動範囲が狭まる。。。の状況が実際に続いています。これは、私達の社会全体が作ってしまっている問題なのです。それを、まずは知っていただきたいです。

 皆さん真剣に聴き入ってくださっていましたので、きっと、店舗に戻ってから職場の方々や、家に帰ってからご家族やご友人に、1人でも多く伝えていただければうれしいな~と思っています。SNSでもドンドン拡散されると、普段興味のない方でも、「知らない」から「知ってる」に変わるチャンスになると思っています。

 そんな気持ちも込めて、当会のFacebookでは、「補助犬」について、わかりやすく楽しい発信を心がけております。つい最近も「盲導犬のお仕事」を紹介したパラパラマンガを紹介しました。

 内容は https://www.facebook.com/jsdra.hojoken/

  • ※犬は人のように色々な色は見えないので、盲導犬は信号の色を教えてはくれません。
    では、どうやって視覚障害者の方は信号を渡っているのか? というと・・・
    周囲の人や車の音を確認しながら、「たぶん青だろう」と判断しながら渡っているのです。
    皆さんが一言「青になりましたよ」「赤ですよ」とお声がけくださったら、とても助かります。

 といった内容です。

 そこに、お1人の方からコメントがありました。「色が認識できないのは知ってたのに、盲導犬が認識してないとは思ってなくて、私って何て安易に考えていたんだろう。知らないって、恥ずかしいですね。」
 「知らないって、恥ずかしいですね。」と感じてくださるこの気持ちがうれしく、その感性が素敵だと思いました♪ このマンガをきっかけに知っていただき、それをまた周囲の方に伝えていただければ、十分すばらしいと思います。そして、いつの日か、実際に視覚障害者と信号が一緒になるチャンスがあれば、この方は「青になりましたよ」と声かけいただくことができる♪ と思っています。素敵ですよね♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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