ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第93回 スカイツリーと補助犬の、深~い関係・・・その4
2015年7月、当会はさらなる飛躍のため、法人名称の変更を行いました。このたび、無事登記完了し、「NPO法人 日本補助犬情報センター」として生まれ変わりました!
活動内容は変わることなく、さらに充実してまいります! 今後とも、ご支援を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます!
さて、今回は前回に引き続き、スカイツリー確認会の最終回、聴覚障害者編です。
聴導犬の大切なお仕事の1つに、「聴覚障害があることの“目印”になることがあります」と、以前ご紹介しましたが(第7回「聴導犬」のお仕事紹介(2))、そう、聴覚障害とは「見えない障害」なのです。
ということは、社会参加の上で、何がバリアになるかと考えますと、情報をいかに入手できるか?にかかってきます。音声情報は入ってこないわけですから、文字情報をいかに入手できるか?が最も重要です。
スカイツリーさんでは、素晴らしいコミュニケーション支援シートをご準備しておられます。下記のユニバーサルサービスガイドの中で、紹介されています。
【バリアフリーガイド】ではなく、【ユニバーサルサービスガイド】であることに、非常に意味があります。障害がある方を特別視するのではなく、「東京スカイツリーでは、小さなお子様をお連れのご家族や、ご高齢の方、障がいをお持ちの方、海外からいらっしゃった方など、誰もが展望台での体験をお楽しみいただけることをめざしてユニバーサルサービスガイドをご用意しております。」(http://www.tokyo-skytree.jp/floor/index.html#universal_designより抜粋)
このコミュニケーション支援シートがあれば、最低限必要なコミュニケーションをとることができます。紹介文としては「海外からいらっしゃった方など、言語による意思疎通でご不便とならないよう、コミュニケーション支援シートを用いて円滑な対応を心がけています。」とあります。言語による意思疎通=コミュニケーションです。
聴覚障害者は「コミュニケーション障害」とも言われていますので、このシートがあれば、聴覚障害者の中でも特に音声言語で話せない方にとっては、大変助かると思われます。その他にも活用は広がりそうですね。
しかし、問題は、このシートがあることをいかに知っていただくか?です。存在を知っていただき、入手していただいて初めて意味を持ちますので、今後はそれをどのように伝えていくか?が課題となりました。
もちろん、筆談ボードを置いていただく他、手話を学んでいるスタッフの方も増えているようですので、様々な取り組みからさらに利用しやすい施設を目指していただく確認ができました♪
最後に、視覚障害者・肢体不自由者・聴覚障害者 各アドバイザーが揃ってのフィードバック会議を実施。非常に充実した内容となり、長~い1日が終わりました。
その間、聴導犬は爆睡しながら待機です~♪
あ、そうそう、ご紹介が最後になりましたが、ちゃんと屋外の「補助犬トイレ」があるんですよ♪ 基本的には室内の多目的トイレをご紹介していますが、そこで排泄できない場合、下記写真の場所を紹介して下さいます♪ 排水溝もありますので、オシッコの後は水を流せば衛生的で問題なしです。海外から来る補助犬ユーザーさんにも、大変重要な場所となってきます。
まさにUDな施設が増えますように~♪
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。