ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第92回 スカイツリーと補助犬の、深~い関係・・・その3
いよいよ夏休みスタート! 毎朝6:30~のラジオ体操に参加しています。朝から気持ちよいですが、向かうまではバタバタです!(涙)
介助犬ユーザーさんの中にも、町内のラジオ体操に参加されている方がおられるのですが、なんと!介助犬にもスタンプカードをもらえたそうなのです!ステキなエピソードですよね♪ すっかり地域の人気者のようです♪
前回に引き続き、障害当事者による現場確認会のご報告です。
今回は、肢体不自由者編です。
肢体不自由者の方が施設利用するにあたり影響することとして、一番みなさんの中でも思い当たるのは「段差」ではないでしょうか?
ただ、最近の建物においては、段差に困る設計はほとんどなくなってきています。歩行困難者・高齢者のために段差を極力なくし、スロープを設置するなど対策がなされています。となると、次のステップとしては、その「スロープの距離や角度がどうか?」という点を見ていかなければなりません。
そのほか、意外に皆さんが意識しないと思われるのは「駐車場」です。車椅子を使用されている方で、単独で車の運転をされる方は意外に多いんですよ♪
単独の車椅子使用者は、車椅子から移乗して車椅子を折り畳んで後部座席に積み込む!という大変な作業が必要なので、車椅子マークの駐車場しか利用ができません! それを知っていてくだされば、車椅子マークの駐車場を健常者が利用するようなことは、起こらないのじゃないのかなーと思います。駐車場問題に関しては、また別の回でご紹介しますね。
さて、話をスカイツリーに戻しましょう。
やはり、肢体不自由者の場合、ハード面の障害が最も影響してきます。外出先のトイレ事情は最重要ポイント! 最近の障害者用トイレは、「みんなのトイレ」と呼ばれることも多く、詰め込みすぎ感があります。多目的に使えることは重要ですが、ここで大切となるのは、「このトイレしか使えない人がいる」ということを、他の利用者が知っているかどうか?だと思います。駐車場問題と、まったく同じですね。
スカイツリーさんの多目的トイレも、充実した施設でした。ただ、入り口すぐにベビーベッドがあった場合、単独利用の肢体不自由者で、開閉ボタン操作ができない方もいるのでは?といった問題は、少なかれ存在します。しかし、すでにできてしまっている施設。ハードを変える!ということは、非常に難しいです。となると、できることはソフト面! 人的対応でいかにカバーできるのかが、何より大切になってきます。
その他、床材の材質については、すでに毛足の短い素材を選んでくださってはいますが、じゅうたん敷きは豪華ではあるものの、車椅子の操作性は非常に難しくなります。今後、張り替えなどされる際には、そのあたりも考慮いただきたい旨をお伝えしました。
あとは、いかに他のお客様と同様に(当たり前に)楽しめるか、に関して、スタッフの方々の対応や声かけなど等を確認してまいりました。
当会がスカイツリーさんから相談を受けましたのは、オープン半年前。すでに設計は確定し、工事も進んでいるなかでした。多くの企業さんがそうですが、設計は設計のプロに頼むわけで、その通り出来上がったものを運用していくことになります。その時点からご相談を受けることがほとんどですが、そこからでは、ほぼハードを変えることは無理なのです。となると、いかにソフトで対応できるかどうか?にかかってきます。
よって当会では、ハード面において「どんなふうに困る人がいるか」を知ってもらい、そんなときに「どのようなお手伝いができるか」の部分に力を入れてお伝えするようにしています。
スカイツリーさんは、スタッフの皆さんの対応が素晴らしいです。企業として、すべての方が利用しやすい施設を目指そう!努力を続けよう!という姿勢が感じられ、お手伝いさせていただきながら、非常に気持ちがよいです。
今後は、スタッフ研修などにもご協力を続けさせていただきながら、すべての人に優しい世界一の施設!を目指していきたいと思います!
次回は、聴覚障害者編です。お楽しみに♪
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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