ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第84回 補助犬の犬種って知ってます?
5月らしい気持ちのよいお天気が続き、運動会シーズンにはもってこいですね♪ 最近の小学校の運動会、5月開催のところが増えているってご存知でしたか? うちの子の運動会も先週でした。暑かった~。
さて、前回の「補助犬ってかわいそう?」に関し、Facebookでも多くの方の反応をいただきありがとうございます。皆様の「いいね!」から、ご理解ご支援のお気持ちを感じられ、とっても嬉しかったです♪ これからも、サポートよろしくお願いいたします。
今回は、補助犬の犬種に関して、お伝えしたいと思います。「身体障害者補助犬」と聞いて、どんな犬種を想像されますか?
一番多いのは、盲導犬として最も活動している、「ラブラドールレトリーバー」を思い出されるのではないでしょうか?
ラブラドールレトリーバーは、もともと、カナダのニューファンドランド諸島に起源を持つ、多目的の水中回収犬でした。漁の網にかかった獲物を回収するだけにとどまらず、水の中に入って魚を取ってきたり、漁師さんに重宝がられていたそうです。こんな起源があるので、この犬種は、人と一緒に何かをする事が大好き!な遺伝子があるのだろうと言われています。
そのほか、同じレトリーバー種の「ゴールデンレトリーバー」も活躍しています。このラブラドールとゴールデンをそれぞれ親に持つ雑種の事を、「F1」と呼んでおり、補助犬として活躍しています。最近では、シェパードの盲導犬も復活しているの、ご存知でしたか? もともと、わが国の盲導犬事業はシェパードから始まりましたが、長い歴史の中で、レトリーバー種がほとんどになってきていました。今後、街で、シェパードの盲導犬に会える日が来るかもしれませんね。
どちらにせよ、盲導犬のお仕事は、ハーネスをつけて歩行をサポートするので、ある程度の身体の大きさが必要です。チワワではできないわけです。介助犬も同じく、何か落としたものを拾って渡したり、冷蔵庫からペットボトルを持ってきたり、作業の内容から大きさが必要なので、盲導犬と同じくレトリーバー種が多く活躍しています。
ただ、この犬種しかなれない!というわけではなく、適性さえあれば、補助犬になって活躍することはできるんですよ。
中でも、聴導犬は犬種のこだわりはありません。聴覚障害者に必要な音を教え、音源へ誘導する、という作業ですので、大きさの決まりはありません(ただ、あまり小型犬過ぎると、人間社会の人ごみの中で踏みつけられることもあるかもしれませんので、ある程度の大きさはあった方がよいと考えられています)。また、必要な適性が、友好的で音への反応が、敏感すぎず、鈍感すぎず……というところを見ていきますので、その適性さえあれば活躍できるのです!
現に、多くの聴導犬訓練事業者さんは、保健所等に捨てられた犬の中から、適性のある子を見極め(この見極めが、最も大切で、最も難しいのですが…)、聴導犬の訓練をしていらっしゃいます。一度、人間に捨てられた命が、再び、多くの人の愛情に囲まれ、人を支える犬に生まれ変わるなんて、素敵ですよね♪ 人も犬もHAPPY♪ そんな素敵なペアが、これからも増えますように……
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
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