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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第79回 補助犬PR犬って?……お仕事が大好きなんです♪

 寒くなったり、強風が吹いたり、ひょうが降ったり……不安定な天気が続いておりますが、皆さん体調崩さず、お元気ですか? 新年度スタートダッシュの疲れも出てくる頃かと思いますので、お気をつけください。

 さて、そんななか、4月20日(月)に新宿京王プラザホテルで補助犬デモンストレーションを実施します♪ ぜひ、ほじょ犬達が楽しそうにお仕事する様子を見に来てください! お待ちしております♪

ほじょ犬のことを正しく知ってもらうのが任務!
看板娘よ♪

 さて、そのデモンストレーションで大活躍してくれるのが、補助犬のPR犬です……。みなさんは、PR犬という存在をご存知でしたか?

 これは「補助犬候補犬」としてのトレーニング中に、「補助犬になるよりも、PR犬になる方が幸せ」と判断された犬たちです♪ 普段はPR犬ボランティアさんの家で、家族の一員として大切にしてもらいながら、月に何回かお仕事に出勤しています(訓練事業者さんによっては、センターで暮らしている子もいます)。

 PR犬になった理由は、犬それぞれです。「人とお仕事をして褒められるのが大好き!」というのは、すべての子に共通した素質だと思いますが、補助犬としてのトレーニングの最中に課題が見つかり、それがどうしても克服できなかった、ということなのです(もちろん、課題解決のためのトレーニングは試されたと思います)。

 補助犬の訓練は、『本能的にどうしようもない課題』の見極めが重要になってきます。本能を強制的に封じ込めても、それはいつか出てくるかもしれないリスクとなりますし、強制的な我慢はストレスになってしまいます。結果的に当事者であるユーザーさんへのリスクにも繋がりますので、そこは厳しく判断して、「補助犬にはならない」という道を選択することとなります。

 いまだに、「補助犬=無理矢理仕事をさせられているかわいそうな犬」という誤解をされている方が、多数おられます。そんな方々には、ぜひほじょ犬達が、しっぽフリフリお仕事をして、ユーザーさんに褒めてもらって、思いっきり喜んでいる姿を見ていただきたいです。しかし、そんなチャンスは、残念ながら日常生活の中ではなかなかありません。

 そこで、活躍してくれるのが、PR犬達なのです!

 全国で補助犬のPRイベントが開催されていますので、ぜひチャンスがあれば足を止めて、ご覧になってみてください♪ 眼をキラキラと輝かせ、お仕事を成功させた後のドヤ顔(笑)を見ていただければ、ほじょ犬達が決して、「無理矢理仕事をさせられているかわいそうな犬」ではないことがきっとご理解いただけると思います。

 補助犬にならなかった課題は、それぞれ多種多様です……

 例えば、「鳥を見たら追いかけずにはいられない!」という犬がいます。人間大好き!お仕事も大好き!警戒吠えもなく、他の犬にもとってもフレンドリ~♪と、ほとんどの適性をクリアしているにも関わらず、「鳥」にだけはどうしても反応してしまう……

これは、本能の部分です。トレーニングで鳥を見て落ち着けるような努力をしてみますが、それがコントロールできる範疇かどうか?が重要となってきます。コントロール外になるようでしたら、補助犬にはなれません。突然、鳥を追いかけようとダッシュしてしまったら、ユーザーである身体障害者の方に危険が及んでしまいます!

 そこで、その「鳥」に会った時だけトレーナーさんがコントロールできるようになった犬たちが、PR犬として選ばれます♪ ほじょ犬同様、「お仕事が大好きで、褒められればもっとやる気が湧いてくる!」という使命感を持った犬たちです。

 ぜひそんな目で、今回活躍してくれるPR犬たちにも、注目してくださると嬉しいな~♪と思います。

 ほかには、「他の犬が大好きすぎる犬」や、逆に「他の犬が苦手な犬」もいます。「猫を見つけると飛んで行きたくなる犬」もいます。もちろん、なかには「お仕事が苦手な犬」も……。人間と同じく様々な性格がありますので、向き不向きも当然あります。すべての犬が補助犬になって、幸せになれるわけではないのです。1頭1頭の適性を見極めながら、すべての犬たちがHAPPYな犬生を送れるように、これからも応援をよろしくお願いいたします!!!

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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