ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
-
NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第78回 防災に障害者視点を!~ペット同伴訓練もやってみよう♪~
新学期早々、真冬の気温に戻るとは…桜たちもさぞビックリしている事でしょう…
新一年生も合流して登校する子ども達の手が、かじかんで痛そうでした…まだ暫く、冷たい雨の日が続きそうですね。皆さんも、体調くれぐれもお気を付け下さい。
4月20日は新宿京王プラザホテルで補助犬デモンストレーションあります♪ぜひお越しください!
さて、明後日4月12日は統一地方選挙です!私も、不勉強ながら毎回投票には子ども連れで行くようにしています。与えられた貴重な一票を無駄にしてはいけません。
選挙と言えば、投票所は近隣の小中学校の体育館が多いかと思います。そこは、同時に、地域の避難所に指定されている事が多いのです。(平成 25 年5月現在の文科省による調査結果によると、全国の公立学校の 92%(32,202 校)が避難所に指定されており、このうち 90%(29,070 校)が小中学校となっている。)
是非、選挙に行かれた際には、そのような視点で見ておくことも大切かと思います。あってはいけないことですが、万が一避難が必要になった時、どんなルートで入るのか?そして体育館の状況は?等、知っておいて損は無いと思います。
とはいえ、まだまだ日本の公立小中学校のバリアフリー化は不十分。体育館の2階にフロアがある場合。歩行が困難な方は、自力では上がれない事になります。人力で上げたとしても、同フロアに利用できるトイレが無い場合は、その後の生活もかなり不便なモノとなります。となると、歩行困難者の方は1階フロア内の部屋を専用に使えるのか?そもそも、車椅子用トイレはどこにあるのか?スロープの位置は?など、確認しておくことは重要だと思います。
全国各地で様々な取り組みが行われています。
- 「江東区内災害時、歩行困難者・避難所のバリアフリー調査」
報告会にも出席させていただきましたが、このような素晴らしい調査が日本全国に広がれば良いな~と感じます。 - 「青森市避難所運営訓練」
実際に訓練でやってみる!これに尽きるのだと思います。ここでは同施設内に福祉避難所室が設営されるようになっているようです。
そういえば、私の町内でも避難訓練はありますが、「なんとなく義務的に、避難用荷物と共に近くの空き地に集合するだけ」の感覚で参加していました。町内会長さんが点呼して終了→解散。今回改めて考え、ちょっと反省・・・。実際には、家には猫が居ます。猫をキャリーに入れ、猫用避難荷物も持ち出さなきゃいけないわけです。その後、避難所に行くわけです。そこまでやってみないと、わからないことだらけな気がしています。(よし、今度やってみよう!)
最近では、ペット同行避難の訓練をする地域も増えてきました。ペット同行避難訓練をする事により、地域の皆さんにペットの存在を知って頂けるきっかけにもなりますし、何より「同行避難できるんだ!」と知って頂け、有事の際のトラブル縮小に繋がるかと。
環境適応能力は高そうです!
それと同時に、飼い主の義務として、ペット同行避難をした際に、そのような環境でも大人しくして居られるよう、持ち運び用布ケージの準備と、普段からその中で落ち着けるトレーニングをしておく等の努力が必要です。それらは家族であるペットを守るために必要な事です♪
そしてこれらは、補助犬ユーザーさんにとっても言える事。地域の人達に、「補助犬があの家に居る」と知って頂く事はとても重要だと思います。また、日頃から、良い交流もできていれば、いざという時に、助け合う事ができるはずです!これは、補助犬ユーザーだけでなく、障がいのある方々や、高齢者にも言える事ですよね♪
先月、仙台市で【第3回国連防災世界会議】が開催されました。東日本大震災では障害者の死亡率が全体の2倍に上ったとの統計があり、避難計画の策定や訓練から障害者が参画することが大事との声が多数上がり、採択された「仙台防災枠組み2015-2030」にもあらゆる障害者が参加できる防災対策の必要性が盛り込まれる事となりました。
今回の大きな意義は、「障害者の事も考えて作ってあげよう」ではなく、「障害者が主体として参加して作る」という方向性になったところにあると思います!ぜひ、皆さんの地域でも、障害者や高齢者、子どもやペット連れなど、あらゆる想定をした避難訓練、実施してみては如何でしょうか?
- ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
-
当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。