ほじょ犬って、なあに?
身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
- プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
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NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
著書
『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)
第66回 「シンシア・モニュメント」の設置場所決定!
明日、2015年1月17日で、阪神淡路大震災から20年が経ちます。私自身は、京都の実家で震災に遭遇しました。京都は震度5.布団から飛び起き、まるでサーフィンをしているかのように両手を張り出し、ただただ揺れていたのを覚えています。大きな声で「どうしたらいいの?」と繰り返していました。母は「とにかくじっとしていなさい!」と繰り返しました。実家は古い木造のいわゆる京町屋でしたので、家全体がミシミシと音を立てながらユッサユッサ揺れました。家が平行四辺形になっているのがわかり、心の中で「倒れる!」と感じた恐怖を、今も忘れられません。
幸い、大きな被害なく助かったのですが、それ以上の体験をされ、被害に遭われた方々のことを忘れてはいけませんし、20年経ったからこそ、そこから学ぶべき教訓を改めて語り継ぐ必要性を感じています。母となり、テレビの前に座る我が子たちにどう伝えようか? 今一度、考えてみたいと思っています。
本ブログでも何度も紹介をしております介助犬シンシア。このシンシアは宝塚市在住でした。93年12月生まれのシンシアは、1歳1カ月でこの震災を迎えることとなりました。が、震災の2カ月前に、運命的に出会った東京にある訓練事業者へ入所していたため、震災の被害は免れることとなり、木村家の皆さんは、訓練で離れている期間は寂しかったものの、この時ばかりは本当に良かったと思われたそうです。家族にとって、東京で頑張ってくれているシンシアの存在が、心の支えでもありました。
そんな介助犬シンシアのモニュメントが、JR宝塚駅前に設置される事が決定しました!(以下、元・介助犬エルモのブログより抜粋)
「シンシア・モニュメント」の設置場所が決まりました。
宝塚市は、「すべての人に優しいまちづくり」を目指して、「シンシアのまち」を宣言していますが、「シンシア・モニュメント」は優しさのシンボルとして設置されます。
設置場所は、JR宝塚駅の改札を出てすぐのところです。
渋谷のハチ公像のように、宝塚の待ち合わせの名所になってくれると嬉しいです。
来年3月末までに設置される予定ですので、JR宝塚駅に立ち寄った時には、シンシアをナデナデしてあげてください。(以上、抜粋終わり)
介助犬シンシアは、『やさしさの輪』を広げることで、宝塚市を動かし、兵庫県を動かし、国を動かして、身体障害者補助犬法成立に貢献してくれました! でも、それは、シンシアがスーパードッグだったから、なんてことは決してないんですよ。
シンシアも皆さんのペットと同じ「犬」なんです。介助犬らしからぬ(!?笑)おちゃめなところがたくさんありました。ドッグランで遊んだ時、大好きなボールを取られまい!と2個口にくわえ、3個目をなんとかくわえたいけど、ボールがこぼれて無理~!とはしゃぐ姿に皆で大笑いしたり… 講演会が終了して拍手が起こると、即座に立ちあがり伸びをするも、テーブルに頭をコツンとぶつけたり… 会議等の待機中に、爆睡しすぎて寝言を言ったり、夢を見て足をバタバタさせたり…
他にもたくさんのエピソードがあります♪ そんな、可愛らしい『普通』の一面があるからこそ、皆に愛されたのだと思います。
シンシアは、2006年3月14日12歳3カ月で血管肉腫のため、永眠いたしました。前年12月に引退し、しっかりと後継犬エルモにバトンをつないでからの突然の死でした。天国から今もなお、『やさしさの輪』を広げてくれているシンシアに感謝です♪
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木村氏は宝塚大使のサイトで、こうメッセージを寄せています。
「震災で培われた絆を忘れないよう、“シンシアのまち宝塚”に込められた『相手を思いやる気持ち』をいつまでも大切にする宝塚市であって欲しいです」(宝塚市大使HPより)
次回は、第67回「視覚障害者と街を歩くと……」をお届けいたします。
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