パラリンピック優勝で、金より輝く私たち!
――日本初・障害者女子ソフトボールチームの挑戦
まだ日本中を探しても対戦相手がいない。パラリンピックの正式競技にもなっていない。それでも、パラリンピックの金メダルを獲ることに挑戦します!
- プロフィール工藤 陽介(くどう ようすけ)
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知的障害のある女性のソフトボールチーム「武蔵野プリティープリンセス」代表・監督。1977年、埼玉県坂戸市生まれ。高校卒業後オーストラリアに渡り、ソフトボールと障害者スポーツのコーチングを学ぶ。留学中、シドニー五輪のソフトボール女子日本代表(監督:宇津木妙子(当時))の通訳を務める。2002年より、NPO法人(当時)スペシャルオリンピックス日本で、知的障害者へのスポーツ指導に携わる。2011年より、社会福祉法人 昴の職員。武蔵丘短期大学で「障害者スポーツ」についての講義を担当。一般社団法人日本障害者女子ソフトボール協会 代表理事。
第21回 新たな目標に向かって
前回では、新たな目標が決まったことについて書きました。
「平成30年3月31日までに、試合形式の練習を多くこなして、県大会で2位以上になる!」というもので、最初の目標もそうでしたが、試合に勝つことを目標として掲げています。
しかし、このチームの目指しているものはそれだけではありません…。
知的障害のある女子に、スポーツをする場を作りたい! そして、スポーツを通じて知的障害者への理解を促進させたいのです!
一般的に、知的障害者はその障害特性もあり、スポーツをする機会が極めて少ないという現状があります。かつ、女子の知的障害者となるとさらに少なくなります。
平成29年3月に文部科学省が第2期スポーツ基本計画を策定し、その中で障害者スポーツについて以下のような目標を上げています。
- ・ スポーツを通じた共生社会等の実現
- ・ 障害者の週1回のスポーツ実施率:成人40%、7~19歳50%
- ※「スポーツ基本計画」とは、スポーツ基本法の規定に基づき、スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための重要な指針として位置付けられるものです。
私たちは、その国が定めた目標が出される以前より、それを課題だと捉え、動き出していました。
- ・ スポーツをする機会がない
- ・ スポーツが出来る場が少ない
- ・ チームスポーツが出来る場がない
女子の知的障害者(特に学齢期を過ぎてから)にとってスポーツは身近なものではありません。それを少しでも解消させたいと思っています。
また、このチームは、これまでに記したように、多くのボランティアが関わっていたり、中学生との練習試合や世代を超えたチームとの大会の開催、障害者関係以外のイベントへの参加や団体とのコラボ等を通じて、これまであまり障害者との関わりがなかった人たちと出会い、共にスポーツをすることで、社会とのつながりを作り、障害者への理解の促進を図っています。
現在は、知的障害者女子のソフトボールチームは、このチームしかありません。しかし、上記のことをより広げていくためには、もっともっとチームを増やしていかなければいけないと思っています。
そこで先般、日本障害者女子ソフトボール協会を立ち上げました。この協会の目的や目指すべきところについては、次回(最終回)に書かせていただきます。
- 今週のプリプリコーチ
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森祐一郎(もり ゆういちろう)
プリプリのコーチ以外にも男子の小学生チームのコーチもしています。プリプリではピッチャーコーチとして活躍してくれています。ソフトボール以外にもサッカー(大宮アルディージャ)が大好きなコーチです。福祉関係の仕事をしているので選手との関係作りもとてもうまいコーチです。
- 選手・コーチ募集中
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武蔵野プリティープリンセスでは、ソフトボールに興味のある知的障害のある女性を選手として、その選手たちと一緒にソフトボールを楽しみたい方をコーチとして大募集中です。
少しでもご興味ある方はお気軽にご連絡ください。この活動についてのお問い合わせは、お気軽に下記までご連絡ください。
障害者女子ソフトボールチーム 「武蔵野プリティープリンセス」
代表:工藤陽介
〒355-0047 埼玉県東松山市高坂1056-1 いんくる堂内
080-7963-4373(電話番号)
mppsoftball@gmail.com(メール)- 活動内容はFacebookでご紹介しています。