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パラリンピック優勝で、金より輝く私たち!
――日本初・障害者女子ソフトボールチームの挑戦

工藤 陽介(くどう ようすけ)

まだ日本中を探しても対戦相手がいない。パラリンピックの正式競技にもなっていない。それでも、パラリンピックの金メダルを獲ることに挑戦します!

プロフィール工藤 陽介(くどう ようすけ)

知的障害のある女性のソフトボールチーム「武蔵野プリティープリンセス」代表・監督。1977年、埼玉県坂戸市生まれ。高校卒業後オーストラリアに渡り、ソフトボールと障害者スポーツのコーチングを学ぶ。留学中、シドニー五輪のソフトボール女子日本代表(監督:宇津木妙子(当時))の通訳を務める。2002年より、NPO法人(当時)スペシャルオリンピックス日本で、知的障害者へのスポーツ指導に携わる。2011年より、社会福祉法人 昴の職員。武蔵丘短期大学で「障害者スポーツ」についての講義を担当。一般社団法人日本障害者女子ソフトボール協会 代表理事。

第4回 宇津木妙子さんとの出会い

 オーストラリアに留学して1年半が経った頃、久しぶりに日本に一時帰国しました。現地でスポーツ関係の学問を専攻していた私は、シドニーオリンピックが間近に迫っていたということもあり、多くの日本の代表チームがオーストラリアに来るはずだと考え、それを近くで見て学ばせてもらいたいと思いました。そこで、日本の多くのスポーツ協会が事務所を構えている岸記念体育館に、手作りで作成した名刺を持参して、アポなしで一軒一軒あいさつに回りました。今振り返れば、若気の至りでこんなことができたと思います(笑)。そっけない対応をされたりもしましたが、いくつかの協会からはとても好意的に受け入れていただきました。その一つがソフトボールでした。近々オーストラリアに遠征に行くということで、見に来ていいよと言っていただいたのです。

 そしてオーストラリアに遠征(合宿、大会)にきた全日本女子代表チームを尋ねに行きました。そこで初めて宇津木さんと出会ったのです。宇津木さんとは同じ埼玉県の出身(隣町)で、出身高校が姉妹校だったというご縁もあり、当初から本当に良くしていただきました。

 通訳としてお手伝いさせてもらうようになったのもこの時からでした。当時は、JTBの添乗員さんが試合時の通訳もしていましたが、ソフトボールやスポーツの専門用語までは精通していませんでした。そんな中、突然訪ねてきた私に、スポーツのことを勉強していて、少しソフトボールのこと知っていたということでやってみないかと声をかけてくれたのです。それをきっかけに、オーストラリアでの遠征時、1998年に日本で開催された世界選手権、そして2000年のシドニーオリンピックと、通訳として全日本女子代表チームに関わらせていただきました。

1988年世界選手権・日本代表チーム
(1列目右から2番目が宇津木さん、一番手前が筆者)
同世界選手権・アメリカ戦

 宇津木さんとの出会いがあり、念願だったオリンピックに関わることができたのです。本当に貴重な体験をさせてもらいました。そして、ますますソフトボールにも興味を持つようになり、ソフトボールのコーチングについても学ぶようになりました。身近に宇津木さんという最高のお手本がいましたので、いろいろとたくさんのことを吸収させてもらいました。

 2002年、6年間のオーストラリア留学を経て日本に帰国しました。これまた縁あって、NPO法人(当時)スペシャルオリンピックス日本の職員として、障害者スポーツに関わることを仕事にすることができました。全国大会や世界大会の運営、日本代表ヘッドコーチとしてギリシャでの世界大会の出場、障害者スポーツ指導者の養成等、留学での経験が生かせる場に巡り合えたのです。2009年、武蔵野プリティープリンセスとは別に、高校生以上を対象とした女子のソフトボールクラブチーム(TSMレディース)を立ち上げ、監督として毎週日曜日に活動しています。
 その後数回の転職を経て、現在は、埼玉県にある社会福祉法人昴の職員として勤務する傍ら、武蔵野プリティープリンセスの監督として、障害者スポーツの普及に努めています。

今年8月6日、埼玉県東松山市で開催された第1回宇津木妙子杯での宇津木さん(2列目左2番目)とプリティープリンセスの選手・コーチ

今週のプリティープリンセス

キャッチャー 背番号6 田中花梨(たなかかりん)

 現在特別支援学校高等部二年生。中学時代にソフトボール部に所属しており、我がチームの名キャッチャーです。キャッチャーの経験はありませんでしたが、読売巨人軍が大好きで、その中でも阿部慎之助選手に憧れ、キャッチャーをやりたいと名乗り出てくれました。大きな声を出し、体を張ったプレイでチームをいつも盛り上げてくれています。


選手・コーチ募集中

武蔵野プリティープリンセスでは、ソフトボールに興味のある知的障害のある女性を選手として、その選手たちと一緒にソフトボールを楽しみたい方をコーチとして大募集中です。
少しでもご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

この活動についてのお問い合わせは、お気軽に下記までご連絡ください。

障害者女子ソフトボールチーム 「武蔵野プリティープリンセス」
代表:工藤陽介
〒355-0047 埼玉県東松山市高坂1056-1 いんくる堂内
080-7963-4373(電話番号)
mppsoftball@gmail.com(メール)
  • 活動内容はFacebookでご紹介しています。