私はこうして合格しました!
国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第65回 千葉のり子さん
第65回 千葉のり子さん
宮城県石巻赤十字病院 地域医療連携室(MSW)
千葉のり子さんが使った参考書
受験対策書
対策講座
- ・2014年度 中央法規出版主催「全国模試」
- ・2014年度 日本社会福祉士養成校協会主催「全国統一模擬試験」 等
合格までの道のり
日程 | 勉強内容等 |
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H25年7月 | ワークブック購入(共通科目編) |
8月 | 10月 | ワークブック購入(専門科目編) 上記本の〝一問一答〟だけをひたすら解く 学部内受験対策講座 参加 |
11月 | 模擬試験 受験 → 本格的に勉強開始! |
H26年1月 | 試験本番 |
3月 | 合格発表 |
- 千葉のり子さんが考える必勝3か条
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- 1.「確実に覚えた」と思えるまで何度も繰り返し問題を解くこと
- 2.自分に合った勉強スタイル(夜型か朝型か、何時間集中できるか、休憩のタイミング、集中できる場所はどこか、暗記方法など)を早めにつかむこと
- 3.自分の勉強スタイルを最初から最後まで曲げないこと
社会福祉士を目指した理由
なぜ「社会福祉士なのか」と聞かれると、すっきりとした回答ができないのが正直なところですが、悩みを聞き、解決のために寄り添うことのできる〝かっこいい大人になりたい〟、と思ったからでしょうか。
小学校低学年の頃に通っていた美容室で、現役を引退していたおばあちゃんが、自分の花壇から花を摘んでは花瓶に生けて飾っていました。それは、目を奪われるほど美しい花でした。美容室はおばあちゃんたちの井戸端会議の場になっていて、そのおばあちゃんたちによくお花の種をもらったりしていました。当時、おじいちゃん、おばあちゃんは私にとっての「先生」で、お話を聞くのがとっても楽しかったのを覚えています。高学年の頃から中学生にかけては同級生が不登校になったのをきっかけに、養護教諭や現在でいう「特別支援学級」の先生とお話する機会が多くなり、先生方から「お友達はあなただから話してもいいかな、聴いてもらおうかな、と思うのでしょう」との言葉をいただきました。
それまでの出会いがすべてつながっていく、話を聞くことは誰でもできるわけじゃないのだと考えるようになりました。そして、聞くだけじゃなく問題解決のために具体的なアドバイスができたらかっこいいかも! と思ったのがスタートだったと思います。最初は臨床心理士という職業を知ってなりたいと思うようになり、やがて悩みごとの種がもっといろいろな方向にあるのだということに気づき、「福祉」を専門的に勉強してみようと思うようになりました。
具体的な勉強方法
スタート期
- (1)ワークブックの一問一答にトライ。ほとんど解答できない、ということを知っておく。
- (2)文字で覚える。一問一答の問題と解答を、内容はさておき、文章で丸暗記する。
- (3)文章を覚えることができたら、出てくる人物名や制度名など各用語について具体的に調べる(ワークブックを使用。まったくピンとこなかったら教科書をひっくり返す)。
→(3)を終えた段階になると、「この科目好き!できそう!」というのがなんとなく出てきます。苦手は探さない。全部苦手に思えてくるので……。
集中期
- (1)一問一答を解いてピンとこなかったところ、模試の時に勘だけで解答してしまったと思うところは特に丁寧に勉強しなおす。
→ 私は書いて覚える派なので、上記の箇所については周辺、関連知識も含めてノートを作り、一から勉強しなおしました。 - (2)問題に関連したところからどんどん広げて、出会う用語を増やしていく。
→ 例えば、高齢者福祉→介護保険制度→介護保険サービス→サービス体系・職員配置……というように。 - (3)覚えたかどうかの確認は一問一答、もしくは模擬試験の問題で再確認する。
→ 一度受けた模試は問題と解答を丸覚えてしまっている可能性があるため、本題に付随して覚えた内容も意識しながら解きました。
試験直前調整期
- (1)新しい問題は見ないようにし、時間をはかりながらやってきた問題をひたすら解き、答え合わせをしていく。正答の肢と答えを丸々覚えているところは、正答肢以外の肢について覚えた知識についても、必ず意識して解くようにする。
- (2)自分で作ったノートを読書感覚で読む。
試験当日や前日に気をつけたこと
- ・自分のノートだけを見る
- ・友達同士で知識の確認をしない
- ・前日までは徹底して風邪予防
- ・えんぴつは多めに削っておく
- ・前日は日常となんら変わらない時間軸で過ごす(宿泊ホテル内であっても普通に過ごす)
今のお仕事について/社会福祉士試験合格後について
現在、急性期病院の医療ソーシャルワーカーとして働いています。急性期病院なので、入院患者さん1人あたりにあまり長く時間をかけることができません。そのため、初回面談時は短時間で必要な情報をアセスメントする必要がありますが、機械的な対応とならないように気をつけなければいけません。今は、その難しさを実感しながら、先輩たちの対応を見て、日々勉強しています。
大学の授業で各種制度を勉強してきたつもりでも、いざ自分の口からわかりやすいように伝えようとするとなかなか思うようにはいかず、難しさを感じます。相談窓口にいらしたすべての人たちに「ここの病院の相談員はよく話を聞いてくれる」と思ってもらえるように、また「ここの相談員は的確なアドバイスをくれる」と言ってもらえるように、広くさまざまな知識を身につけて、わかりやすく提示できるように一層の努力をしなければと思います。
これから受験される方へ
自分に合った勉強スタイルをなるべくはやく見つけ、そのライン以上は頑張らないようにすることが大事だと思います。周りの友達の頑張りが見え始めると、私はまだこれしか進んでいない……と不安になったり、焦ったりすることがあるかと思います。そんな時でも、自分で決めた勉強スタイルを崩さないようにし、人と比べて落ち込んだりしないように気をつけてほしいと思います。ただし一人で勉強していると、だんだん自信がなくなっていくということも考えられるので、友達と一緒に「あそこがわからない」「ここはこうで良いよね」ということを確認することも必要かと思います。
そして、何よりも体調管理が一番大切です。絶対に無理をしないようにし、休む時にはとことん休み、息抜きのために遊ぶ時には全力で遊ぶ、というようにメリハリをつけて過ごすと良いのかなと思います。
皆様が合格のためにやってきたこと、これからやることは絶対に間違っていません。自信を持って、挑んでいただければと思います。応援しています!