私はこうして合格しました!
国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第74回 クッキーさん
第74回 クッキーさん
介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士
クッキーさんが使った参考書
ミネルヴァ書房編集部=編
ミネルヴァ書房
クッキーさんの合格までの道のり
日程 | 勉強内容等 |
---|---|
前年4月 | 養成校に通い始める (準備期間) ・ワークブックと過去問題集の併用 ・学校の授業+自宅での勉強 |
7月 | 新しい参考書・過去問題集購入 |
9月 | 本格的に勉強開始 |
11月 | 模擬試験を受ける |
12月 | 直前対策講座を受講 |
1月 | 予定表をつくり最後の追い込み ↓(模擬試験) 試験当日・・・隣の芝生は青い |
3月 | 見事、合格!! |
- クッキーさんが考える必勝3か条
-
- 1.環境を整える
- 2.あらゆる社会資源を活用する(本、インターネット、人)
- 3.飽きず・焦らず・諦めず
(1回や2回で覚えられれば苦労はないね!と言い聞かす)
第20回社会福祉士国家試験に合格した クッキーさんにうかがったお話です。
試験を受けるきっかけ
「相談業務である介護支援専門員をしていましたが、援助職が陥りやすい「共依存」や「燃え尽き症候群」といった問題を見つめたときに、自分の立ち位置をしっかりさせるためにも援助技術を学ぶ必要があると感じたこと、そして介護だけでなく広く社会福祉を学ぶ必要があると感じたため、受験を決めました」
クッキーさんは、受験資格を得るために試験前年の4月から1年課程の養成校に通い出しました。そして同時に、受験勉強も始まったのです。
時期別の勉強
クッキーさんは、4月からの勉強について、時期を追って教えてくれました。
「年間を通し、学校で週1回行われる国家試験対策の科目を中心に1週間に3科目程度の勉強をしました。1か月でほぼ全科目に目を通すことができました。実習期間中はほとんど勉強できないという現実もありましたが…」
4月~6月
勉強のための準備期間…環境作り(事務的作業など)
「この時期は、理解しにくい科目を社会福祉士受験用ではない本を使って、興味が持てるようにしました。例えば、心理学は、『見てわかる心理学』(ナツメ社)、医学一般は『からだのしくみ事典』(成美堂出版)といった本を読み、図表やイラストで理解を深めました。また、ネット検索で出てくる福祉年表を自分流に作り直しました」
7月~8月
新しい参考書や過去問題集が出版されるのを待って購入
「ワークブックと過去問題集を併用して勉強を始めました。わからないことはテキストや小六法などで調べて書き込んだり、資料としてまとめるようにしました。5、6月から始まった実習が8月にピークを迎えていたため、どうしても勉強時間は減ってしまいました」
9月~12月
本格的な勉強の開始
「学校での試験対策と自宅での勉強を続けました。周囲のペースに巻き込まれないように自分のペースを維持しながら勉強を続けました。11月には模擬試験を受け、12月には中央法規出版主催の直前対策講座を受けました」
1月
予定表を作成し追い込み
15日間…まとめ(ワークブック、過去問題、模擬問題)【1日1科目】
7日間…繰り返し(同上)【1日2科目】
4日間…最後の見直し(同上)【1日3科目】
「最後の追い込み期間でした。1か月の予定表を作り、試験前日までの26日間を3つに分けて勉強しました。模擬試験も一度受けましたが、ほぼ1日机に向かう日が続きました」
勉強時間
自宅で勉強することの多かったクッキーさんの勉強時間は、
平日…学校の授業+自宅で2時間位
休日…24時間-(生理的欲求+家事2~3時間+ボォーとする時間)
勉強方法・工夫
「好みで言えば『必携社会福祉士』(現在、刊行中止)のように整理されている参考書のほうが好きでしたが、試験問題の文章になれることや、自分でまとめる作業をしたほうが覚えられると思い、『社会福祉士受験ワークブック』(現『社会福祉士国家試験受験ワークブック』)を中心に勉強し、他の用紙にまとめたり、パソコンで資料作りをしました。視覚や触覚をフル活用しました。
『得意科目と不得意科目では、比重のかけ方を変える』、『ワークや必携を科目ごとにばらして持ち歩く』、『A5、A6の紙に憶えにくいことを要約して書き、トイレなどに貼り、繰り返し目に留まるようにする』、『参考書や事典、六法にインデックスを付ける』など、いろいろな工夫をしました。最後は、過去問題集とワークブックを科目ごとに切り離してまとめたものを使って勉強しました」
プレッシャー・壁
「受験するからには、1度で受かりたいと思っていました。プレッシャーもありましたが、受験のために仕事を1年間休止したことで、背水の陣で臨むことができました。暗記力の低下が、受験にはハードルとなりましたが、私は、飽きるほど繰り返すことで乗り切りました。自分のこれまでの生活歴に対応させて、歴史や法律を覚えるようにしたり、絵を描いたりと工夫もしました。私より年齢の高い方が身近で合格されていたので、それも励みになりました」
当日の備え
「普段から鉛筆を使うことで、筆記用具に慣れるようにして本番を迎えました。隣の芝生は青く見えると言いますが、当日は周囲の人ができそうにみえてしまいます。不安は誰もが持っているものと自分に言い聞かすようにしました。
そして試験中は、記入欄を間違えないよう細心の注意を払いました。また、最後まで飽きずに問題文を読むように気をつけました。今までの勉強の蓄積もあり、文章を読むことに慣れが生じていて、文章を目で追っていても自分流に読み過ごしてしまうことがあるのです。これは要注意でした」
これから受験する方に一言
「受験勉強は不安や怠け心との葛藤で、その過程は自分自身を知る過程だと思います。自分をアセスメントすることが、自分にあった勉強方法につながり、合格に結びつきます。きつい言葉かもしれませんが、『敵は自分の中にあり!』と心得てください」
取材当時の仕事について
「現在は、以前から続けていた、介護関連の講座で講師を務めています。講座の講師歴は6年になります。知恵を絞り、工夫を重ねた講義に、生徒が真摯に耳を傾けてくれている時や、積極的な参加があった時には、喜びを感じています」