私はこうして合格しました!
国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。
第72回 Yさん
第72回 Yさん
旧・精神障害者生活訓練施設 社会福祉士、精神保健福祉士
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Yさんが使った参考書
問題分析と受験対策 過去問題集【専門科目編】【共通科目編】
久美
Yさんの合格までの道のり
日程 | 勉強内容等 |
---|---|
試験の5年前 | 福祉系大学卒業後、入所施設に入職 (精神保健福祉士の資格は取得済み) → 仕事で多忙な日々のなか毎年受験するも、連続不合格 |
10月 (試験3か月前) | 今年こそはと本腰を入れて、勉強を開始 → 模擬問題集と参考書を用いた地道な学習。完全に覚えるまで、徹底的に頭にたたき込む |
11月 (試験2か月前) | → 平日は2~3時間、休日は6~8時間の集中学習。仕上げは過去問で |
1月 | 試験 → 当日のちょっとしたハプニングも、プラス思考で乗り切る |
3月 | (4度目のトライで、見事)合格! |
- Yさんが考える必勝3か条
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- 1.完全に覚えるまで、何度も同じところを繰り返し復習
- 2.勉強はメリハリをつけて、机に毎日向かうようにする
- 3.睡魔と戦いながら、プレッシャーに負けず、常にプラス思考で
「高校時代から福祉の仕事を目指していました」
入所施設で働きだして5年のYさん(取材当時)。利用者やその家族との相談面接や個別支援計画の作成、家族・関係機関の調整など、慌ただしくも充実した毎日を送られていました。
「高校時代、卒業後の進路を考えるときから“福祉の仕事に就きたい”と強く思っていたので、福祉系の大学に進んだんです。将来の目標は、早くから固まっていましたね」とYさん。
彼女は今の精神障害者の施設で働くなかで、より専門の知識を深めるために、以前、取得した精神保健福祉士の資格に続いて、社会福祉士の資格を取得しました。
しかし、社会福祉士の資格を取得するまでの道のりは、決して楽なものではなかったようです。
「試験は大学卒業の年から毎年受験していましたが、連続の不合格。それもそのはず、ほとんど記念受験のような気分で受けていて、まったく勉強はしていませんでしたから」と当時を振り返って苦笑するYさん。仕事で毎日多忙だったということもあったようです。
それでも諦めず、やっぱり仕事に役立つ社会福祉士の資格を取ろうと勉強に本腰を入れ始め、通信などにも申し込み、4度目の試験で見事合格したのでした。
とにかく繰り返し。完全に覚えるまで何度も復習
「試験の半年前ぐらいから勉強しなくてはという意識で、テキストを開いたり、ワークブックを開いたりと机に向かいはするものの全然集中できず…本腰を入れて勉強を始めたのは、試験のちょうど3か月前でした。勉強方法は、毎日、模擬問題を解いては参考書にある必須知識を覚えていくという、地道な方法でした。次の日は前日に終えたところの続きからではなく、前日に学習したところをもう一度復習してから次の項目に移るということを心がけました。なぜなら、次の日には前日に覚えたつもりでいたことを忘れてしまっていることも多かったからです。一通り、模擬問題集や参考書を学習し終わっても、繰り返し、何度も間違えたところに印を付けておいて、完全に覚えるまで頭にたたき込み、さらにそのなかでも特に重要だと自分で思うところをノートに書き出して、またそれを読み込むということを何度も何度も繰り返しました。仕上げは過去問で傾向対策。自分でも力がついていくのがわかりました。
試験前2か月を過ぎる頃には、仕事のある平日は一日2~3時間、休みの日は6~8時間、集中して勉強していました。『遊びたい!』という誘惑にかられることもありましたが、そういうときは、例えば午前中はしっかりと勉強して午後は遊ぶといった感じでメリハリをつけて、とにかく机に向かわない日がないように心がけました」
プレッシャーに負けずに、プラス思考で
「やはり、仕事をしながら勉強をするというのはとても大変なことでした。一日みっちり働いて、仕事を終えて帰ってくると、疲れて寝てしまうこともたびたびありました。今思えば、日々、睡魔との戦いでした(笑)。けれども、私の身近な友だちに、仕事と家事と子育てとをすべてこなしながら勉強をしている人がいて、その人と比べたら私なんて、すごく時間があるんだと思ったら、途中で投げ出さずにがんばれました。
職場の同僚たちにも受験することを告げ、みんなから『絶対に合格できるよ!』と励まし(プレッシャー?)の声をかけてもらい、通信のスクーリングの期間は休みをもらったり、試験の直前にも休みをもらったりと、さまざまな面でバックアップしてもらえたことも、合格への大きな要因でした。もちろん、それだけ“落ちるわけにはいかない!”というプレッシャーも大きかったのですが…、逆に“やるしかない!”と吹っ切って、合格に向けて猛進することができました」
そして迎えた受験当日。Yさんは、会場に集まっている大勢の受験者を見て、「こんなにもこの試験を受ける人がいるのか」と驚いたそうです。そして、ちょっとしたハプニングも。
「偶然、試験会場で、以前、私の施設に実習に来ていた学生に会ってしまったんです。そのときは、実習中は職員として実習生に教えていた立場なのに、“実習生は合格して私は不合格”なんてことになったら恥ずかしいな、ちょっと嫌だな、と、ちょっと動揺してマイナスの方向に考えてしまいました。けれども、今まで積み重ねてきた勉強の日々を思い起こし、また、すぐに開き直って、『落ちたら落ちたで、また来年受ければいいや!』」とプラスの方向に気持ちをもっていくことで、落ち着きを取り戻し、試験に臨むことができました。結果は合格でした」
勉強すればするほど点数が取れる試験!
こうして、資格を取得したYさん。最後に、これから受験勉強を始めようとしている皆さんに、受験の先輩としてアドバイスをもらいました。
「私は、今、資格をもっているということで、専門職としての責任感を常にもつことができると実感しています。資格を取ったらそれで終わりということではなく、『資格をもっている人がそんなことも知らないの?』と言われるようなことがないように、これからも日々、勉強していきたいと思っています。社会福祉士の資格を取得するまでに5年もかけてしまった私がアドバイスなんて言える立場ではないのかもしれませんが…この資格は年々受験者も増え続け、試験問題もどんどん難しくなってきています。やっぱり、しっかり勉強をしないと受からないでしょう。反面、勉強すればするだけ点数が取れる試験でもあると思います。皆さんも、毎日コツコツと勉強を重ねながら自分に自信をつけ、自分の可能性を信じてがんばってください!」