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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、地域や学校、介護サービス事業者・施設の研修講師・アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員、特別養護老人ホームの施設長等に携わる。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員などの受験対策講座も数多く行っている。『福祉現場のための感染症対策入門』(中央法規出版)も執筆。

第20回 障害の理解(3)~知的障害、精神障害~

 こんにちは。職員も交代で休みをとるなど、現場の流れが変則的になるお盆の時期。いつも以上に気をつけて、サービスを提供していきたいですね。
 今回も、「障害の理解」の続きです。知的障害と精神障害について、押さえましょう。

知的障害

  • ○知的障害者福祉法では、知的障害者の定義を設けておらず、「社会通念上知的障害者と考えられるもの」と解釈している。知的障害は、知的機能の障害および日常生活の支障によって特徴づけられ、制度(法律)による支援を受けるための療育手帳の交付などは、知能検査の知能指数(IQ)が、おおむね70未満であることと、日常生活能力によって判断される(第24回に出題)。
  • ○知的障害は、原因不明の生理型が、全体の約4分の3を占める。一方、明らかな病理作用によって脳の発達に支障が生じたものを、病理型といい、染色体異常によるダウン症候群などが含まれる。なお、ダウン症候群は、難聴などの症状を合併する頻度が高い(第25回、28回、31回に出題)。
  • ○知的障害の利用者においては、学習に時間がかかるので、わかりやすい言葉で、繰り返し何度も説明したり、ともに行動することが求められる。また、利用者の興味、関心事に目を向けて、何かを伝えるときには、言葉だけでなく、身振りや絵など非言語的なコミュニケーション要素も大切にしながら、利用者の反応や意思表示を確認していく。また、壮年期の知的障害者においては、親と死別した後の生活への適応を、支援することが重要となる(第26回、27回に出題。第34回では事例問題として出題)。

 第30回の事例問題で登場した、児童発達支援センターでは、身体障害や知的障害などをもつ児童に対する、日常生活における基本的な動作の指導や、相談支援、保育所等訪問支援などを行っています。


精神障害

  • ○「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)では、精神障害者は、統合失調症、精神作用物質による急性中毒またはその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者と定めており、(知的障害者を除き)精神障害者保健福祉手帳が交付される。
  • ○精神障害(心の病気)は、素質や遺伝などがかかわるとされるが、原因不明の内因性(統合失調症、躁うつ病など)、身体の病変や薬物などが影響する外因性(アルコール依存症など)、性格や生活環境におけるストレスなどによる心因性(神経症など)に分類される(第32回に出題)。
  • 統合失調症は、思春期に発症することが多く、気持ちや考えがまとまりにくく、苦痛や困難を感じている状態で、錯覚(現実に存在する対象物を誤って知覚する)、幻覚(現実には存在しない対象物を実際に存在していると知覚する)、妄想(病的な誤った判断や観念)、思考途絶(思考の流れが突然断ち切られ、その瞬間、思考が空白になる)などの陽性症状や、感情鈍麻(感情の動きが乏しくなり、外界に無関心で感情の表現が失われた状態)や会話の貧困、意欲の低下などの陰性症状がみられる(第27回、31回に出題)。
  • 躁うつ病は、気分障害、感情障害とも呼ばれる。躁状態には、観念奔逸(思考が著しく促進され偶然の思いつきが次々と浮かぶ)、病的爽快(病的に高揚した気分)、多弁多動、欲求亢進などがあり、うつ状態には、抑うつ気分(憂うつで悲哀感を抱き、沈んでいる気分)、焦燥感、悲哀感、興味や喜びの喪失、思考力や集中力の減退、思考制止(思考の進行が遅くなり考えが乏しくなる)、罪責感、自殺念慮などの症状がみられる。躁状態とうつ状態は、交互に生じたり、どちらか一方だけ示したりするなど、さまざまである。なお、うつ状態では、睡眠障害や易疲労性(疲れやすい)など、身体的な訴えも多い。
  • ○精神障害の利用者において、幻覚や妄想などの症状と、それに伴う利用者の訴えや言動は、本人にとっては事実であることを認め、利用者のありのままを受容し、共感する態度で接する。また、統合失調症の回復期などでは、病気による体験と現実との葛藤があることも理解して支援する(第24回、29回に出題。第25回では事例問題として出題)。

 なお、心の病気の治療法には、回想法などの精神療法(心理療法)、(強い鎮静作用と抗精神病作用がある)抗精神病薬などの薬物療法、社会生活技能訓練(SST)などの生活療法があります。第26回では、統合失調症の利用者の家族に対する「家族心理教育プログラム」への参加の勧めを適切とする事例問題が、出題されました。このプログラムは、正しい病気の理解と適切な対応について指導・助言するもので、家族同士が集まり話し合う機会などもあります。


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