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受験対策講座

保育士・筆記試験の合格率は20%前後で難関といえます。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率のいい学習が不可欠です。このコーナーでは、近年の各科目の出題傾向や今後の対策について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

2024年4月試験に向けた講座がスタートしました!

第56回 令和6年前期・保育士試験「子どもの保健」の内容や難易度は? 傾向と対策のポイント

新川加奈子(しんかわ かなこ)
医学博士、精神保健福祉士。ヒューマンアカデミー通信講座・保育士講師

近年の出題傾向

 「子どもの保健」は、子どもの医学的知識を問う分野からの出題と子どもの健康に関する社会状況、特に事故や災害などの危機管理に関しての分野からの出題に分かれています。

 保育所保育指針においても「子どもの保健」に関連する箇所は、「子どもの健康支援」「養護に関する基本的事項」「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」「保育所における保護者に対する子育て支援」の4か所に分かれて記されています。しっかり読んで解答してください。

 「子どもと保健」は合格し難い科目との声もありますが、ポイントをつかめば6割の合格ラインには到達できると思います。

 特に、この2年は新型コロナ感染症の関係で、感染症に関する問題が20問中4~5問程度は出題されています。感染症についての知識は、普段の生活でも必要ですので、正確な情報をしっかり掴んでおきましょう。

 ポイントとして以下の6点が挙げられます。
① 保育士として知っておきたい保健医療についての基本的知識
② 子どもの発達・発育に伴う生理学的変化
③ 子どもの体調不良について
④ 感染症についての知識と対応
⑤ 虐待・アレルギー・発達障害など他の分野と重なる問題
 虐待については、「子ども家庭福祉」「社会的養護」、アレルギーについては「子どもの
食と栄養」、発達障害に関しては「保育の心理学」と関連付けられた問題が出題されていま
す。他の科目と併せて学びを深めましょう。
⑥ 各種ガイドラインに照らし合わせた問題
 保育所における感染症対策ガイドライン、教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインなどです。
 学習には必ず最新のガイドラインを使用し、修正点に留意しましょう。

 最後に全体的な傾向として、近年、事例問題が2~3問出題されており、問題文を読み考える問題が多くなっています。文章をしっかり読む習慣もつけておきましょう。

頻出テーマ

 令和6年前期試験に出題された問題を頻出テーマごとに分類しましたので、ご参照ください。

テーマ① 子どもの心身の健康と保健の意義

令和6年前期試験での出題:問1、2、3
 毎年、保育所保育指針より出題されています。子どもたちの心身が健やかに成長するための支援を理解していきましょう。

 また、母子保健法についても出題されています。児童福祉法と合わせて学ぶとともに、科目「保育原理」「子ども家庭福祉」と併せて理解していきましょう。

 さらに、虐待について頻回に出題されています。虐待の分類および虐待による子どもたちへの影響についても学びを深めましょう

テーマ② 子どもの身体的発育・発達

令和6年前期試験での出題:問4、5

 子どもの発育・発達を理解し、より良い保育につなげることは保育者にとって必要不可欠な支援です。
 カウプ指数、ローレル指数について理解するとともに、乳幼児身体発育曲線、スキャモンの発育曲線についても理解しましょう。
 運動機能の発達、原始反射についても学びを深めておきましょう。

テーマ③ 子どもの心身の平常時の健康状態とその把握

令和6年前期試験での出題:問6

 子どもの発育・発達を理解し保育に活かすことは、より良い保育につながります。身体の正しい測定方法を理解し評価することは、子どもの成長・発達の促す支援の基礎となります。

 「保育所における感染症対策ガイドライン」の「子どもの症状を見るポイント」と照らし合わせて、排尿・排便、睡眠、食欲、皮膚の状態など、個人差はあることを念頭に置きながら、平常時の子どもの状態をしっかり理解しましょう。

テーマ④ 子どもの体調不良等に対する適切な対応

令和6年前期試験での出題:問13、14、16、18、19

 子どもの体調不良時の対応についての問題が頻回に出題されています。子どもに起こりやすい症状と対応、緊急を要する状況の処置について、しっかり学びましょう。

 近年、アレルギー疾患の子ども達が増えています。アレルギー疾患に対する知識やアナフィラキシーショックへの対応も身につけておきましょう。

テーマ⑤ 子どもの疾病の予防及び適切な対応

令和6年前期試験での出題:問20

 子どもは成長発達の途上にあるため、大人とは異なる疾病に罹患します。先天性疾患につての理解が必要です。また、環境の影響を受けやすいことを念頭に置いて疾病を理解し、適切な対応ができるよう学びを深めましょう。

 心の病気についても出題が頻回です。病気について理解するとともに事例問題への対応ができるよう学びを深めましょう。

テーマ⑥ 感染症対策

令和6年前期試験での出題:問8、9、10、15
 感染症に関する問題は、毎年複数問出題されています。感染症についての定義などの総論だけでなく、予防接種に関連する感染症については症状や対応をしっかり覚えましょう。予防接種の知識は、最新のものを覚えましょう。
 「保育所における感染症対策ガイドライン」からも、感染に関する問題が出題されています。

テーマ ⑦ 個別的な配慮を必要とする子どもへの保健的対応

令和6年前期試験での出題:問17

 保育における保健的対応は、保育所保育指針第3章で示されているように「一人一人の子どもの健康の保持及び増進並びに安全の確保とともに、保育所全体における健康及び安全の確保」に努めることが重要です。

 1歳未満児の乳幼児突然死症候群(SIDS)、個別の配慮を要するけいれんやアレルギーの疾患を持つ子ども、障害のある子どもへの対応、医療的ケア児への対応など広い知識を身につけましょう。病児保育事業に関しても理解を深めてください。

テーマ⑧ 保育における環境・衛生及び安全管理

令和6年前期試験での出題:問11、12
 子どもたちが集団で生活する保育施設では、衛生管理、事故の防止、災害時の対応など広い知識が必要です。

 「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」の「事故発生時の対応」には、死亡事故や重篤な事故に備えて予防と事故の対応について記されています。「事故防止のための取り組み」には、重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項や緊急時の対応体制について記されています。保育者の知識として身につけましょう。

テーマ⑨ 健康及び安全管理の実施体制

令和6年前期試験:問7
 子どもの健康と安全は「子どもの生命の保持と健やかな生活の基本」であると保育所保育指針第3章にうたわれています。職員間の連携・協働、他職種との連携への知識を深めましょう

 また、保育者は家庭・専門機関・地域の連携を理解し、妊婦や子育てについて支援することも大切な使命です。母子保健・地域保健(保健指導健康診査等)について正しい知識を身につけましょう。


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