ストレングスモデルによるケアマネジメントを現場で実践する方法
相談支援においては、以前から利用者のストレングスを大切にすること、ストレングスに基づいた支援が大事だと言われています。おそらく皆様も「そんなことは、当たり前のこととして支援している」と言われると思います。
しかし、その理念や考え方を本当に理解し、実践に活かしているのでしょうか。具体的にどう支援が変わってきていますか。どのようにサービス等利用計画に反映し、日々の支援活動に取り組んでいるのでしょうか。
本書では、ストレングスモデルに基づいた障害者ケアマネジメントの現場での学び方・進め方・地域での取り組み方を紹介しています。ストレングスモデルは、アメリカカンザス州の実践をもとにカンザス大学により開発されてきたものです。現在もカンザス大学メンタルヘルス研究・イノベーションセンターではストレングスモデル研修が行われています。本書は、そこでのテキスト・研修の進め方を学び、日本で5年にわたる研修実績を踏まえた執筆陣が、日本バージョンのストレングスモデルの学習・研修テキストとして作成しました。
ケアマネジメントの進め方を8つのステップに分け、ステップごとにストレングスの視点、目的を明示し、解説するスタイルにしています。また、実践支援ツールとして、「心の糧」作成シート、ストレングスアセスメント票、パーソナルリカバリープラン、行動チェックリスト等を示し、記入例も例示していますので、より実践的なマニュアルになっています。
新人の方には「ストレングスとは」から「ストレングスモデルによるケアマネジメントの考え方や具体的内容を学ぶ」ことができますし、中堅の方には「ストレングスモデルによるケアマネジメントを現場実践できる取組み方」を理解できます。また、「地域で取り組んできたストレングスモデルに基づくグループ・スーパービジョンの方法、研修の方法」も盛り込んでいますので、地域の中で相談専門職がお互いの支援の質を高めあう取り組みも可能です。
ぜひ、本書を活用して多くの相談支援専門員、介護支援専門員等の方々が、本当の意味でのストレングス視点のケアマネジメントを学び、実践されることを願ってやみません。
(中央法規出版 第1編集部 野池隆幸)