今、ぼくらにできること
大ベストセラーとなった「五体不満足」からはや16年、今や東京都教育委員なども務め、Twitterのフォロワー数は何と66万人以上と、さまざまな分野で活躍中の乙武洋匡さんの新刊、その名も『社会不満足』!
駒崎弘樹さん、小室淑恵さん、堀潤さん、東浩紀さん、古市憲寿さん、開沼博さん、津田大介さん、家入一真さん・・・・・さまざまな分野で活躍する専門家、TVでも活躍中の論客・ジャーナリストとの珠玉の対談が収録されています。
乙武さんは大学卒業後、スポーツ・ライターとして活躍しましたが教育分野へ転身、ここ10年は小学校教諭、教育委員、保育園経営と幅広い活動をしてきました。
そこで出た疑問。子どもたちの学びや育ちを考えるには、学校教育では及ばない。もっと社会に目を向けなければ――。
実際に教壇に立つなど「現場主義」の乙武さんですが、社会を相手にはそうはいかない。そこで、各分野の「現場」で奮闘している上記の8人との対談から、その「処方箋」を読者のみなさんと学んでいきたい。多くの課題があり不満が渦巻くこの時代でも、信念を持った行動によって塗り替えていけるはずだ。そんな想いがタイトルに込められています。
本書のラストを飾るのは、特別収録のゲンロンカフェで行われた鼎談「東浩紀×津田大介×乙武洋匡 希望の作り方――ネット・教育・都知事選」です。当日は編集担当も観覧していましたが、「これは都知事選出馬宣言か!?」と思ってしまうほどの乙武さんの名スピーチも飛び出し、拍手喝采の盛り上がりでした。こちらのイベントはニコニコ生放送でも中継され、視聴者からの「ネ申回!!!」とのコメントも多数流れていたのを覚えています(ニコ生では、画面上に視聴者のコメントが流される)。そんな白熱した鼎談の現場感は本書でも随所に表れています。
「傍観者」から「当時者」へ――。乙武さんがあとがきで触れていますが、「一人ひとりが社会について考え、小さな一歩を踏み出すキッカケとなって欲しい」、本書にはそんな勇気の出る言葉がたくさん詰まっています。
(中央法規出版 第1編集部 中島圭祥)