賢く節税、人生を楽しく
最近のビジネス誌、婦人誌の特集には「相続税」という文字が頻繁に踊るようになりました。これは、来年1月から施行される相続税・贈与税の改正に伴い、世間の関心が高いことをうかがわせます(平成25年の国会で「所得税法等の一部を改正する法律案」が可決・成立されたことを受けたもの)。
「うちは財産なんてないから、どちらも関係ない」と思われる方も多いかもしれませんが、今回の改正のポイントは、対象者を広めることです。相続税については、5000万円の定額控除が3000万円まで引き下げられ、取得金額に応じた税率も、6億円を超える部分については、最高税率が50%から55%に、1億円から3億円以下の部分で40%とされていた税率は、45%に引き上げられます。
逆に贈与税については、父親や母親から子ども、祖父母から孫などへの税金が緩和されることになるのです。
「えっ、うちは一体いくらかかるのかしら?」
本書はこうしたニーズに応えるべく、CD-ROMに「プランニングシート」を付属し、誰でも簡単に入力するだけで税額をわかることができます。
著者の茂木里江子さんは、アザヤカコンサルティングの代表として、国際財務報告基準(IFRS)の導入支援、コンサルティングを行うなかで、今回の税制改正を広く知って有効に活用してほしいという思いを抱いています。今回、一緒に編集作業を行うなかで、編集担当の私も一から相続税・贈与税を勉強し、自分自身、関係のない話ではないと実感しています。
本書で伝えたいのは、単に賢い相続・贈与をしようということだけではありません。今後の人生をより良いものにするために、ここで一度立ち止まって考えてみようというメッセージなのです。
(中央法規出版 第1編集部 平林敦史)