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パーキンソン病のことがまるごとわかる!


 「パーキンソン病」という病気は、難病指定されている神経変性疾患のなかでも特に患者数が多く、日本国内には約16万人の患者がいます。50代から60代にかけて発症し、長い経過のなかで緩やかに生活障害が進んでいく、つまり多くは在宅療養する高齢者です。

 この病気の態様に配慮したケアは、長らく在宅ケア関係職のニーズでした。進行性なので病期によって本人のできることは移り変わっていき、「自立」の意味するものも変化していきます。病気の知識も、主症状とそれらへの対応を知っていればよいというものではなく、生活の中で障害されていることに着目できる力や今後への予測、現状に適した環境へと調整するための方策やそれを成すための職種間連携といったことのほうが、在宅ケアにおいては問われてきます。ケアマネさんや地区担当保健師に同行して訪問取材していた10年くらいのなかで感じてきたことです。

 本書には、在宅ケアに活かしたいそれらの知識が網羅的に盛り込まれています。病気そのものの基礎知識に始まり、長期療養の高齢者では必須となる合併症の知識、日常生活の安定度やQOLにかかわってくる薬の知識、転倒対策など家屋の環境整備とリハビリテーションの知識、パーキンソン病の人に有用な制度や社会資源の知識と、支援に必要となる知識全般が1冊の中に収まっています。

 執筆者42名も錚々たる顔ぶれです。神経病理学から在宅医療、外科医療、リハ、看護、ソーシャルワークなど、多様な分野から第一人者たちが参集しています。編集代表の公益財団法人精神・神経科学振興財団常務理事・佐藤猛先生には、臨床の最前線で昼も夜もない執筆陣を見事にまとめあげていただきました。

 知識のトータルバランスに優れ、パーキンソン病にかかわるあらゆる専門職の手引きとなってくれるでしょう。お得です。

(第1編集部編集第2課 柳川正賢)

→本書のご注文はe-booksから