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医療職との連携が楽になる


 どこの病院でも同じでしょうが、待合室に並ぶ顔ぶれの半数以上は、高齢者。ホームヘルパーに車いすの移動介助を受けながら、診療科の扉をくぐっていくお年寄りもよく見かけるようになりました。会計窓口でも、ヘルパーが会計担当者の言葉を高齢者に伝えながら、会計手続きを行う姿もよく目にします。

 さて、国は地域包括ケアの方針を打ち出し、要介護になっても自宅での生活を継続できるよう、医療と介護の切れ目のない提供を唱えています。介護報酬上は、すでにこうした方向で体制が整えられてきてはいます。

 一方、ケアマネジャーなど、多くの福祉・介護職は、医療職とやりとりすることに苦手意識を感じています。この背景は、疾病などの医療知識が弱いことだけではありません。医療の制度や病院のしくみ、医師を中心とした医療業界の文化そのものを知らないことも背景の一つです。

 本書は、福祉・介護職が、違う文化としくみをもった医療の専門職へコンタクトを取る際の垣根を下げるために企画しました。

 ある意味特殊な業界である「病院」「医療」の世界を、どう伝えればわかりやすくなるか、監修者や著者と一番悩んだところです。とにかく忙しい現場の方に読みやすいよう、図解を多く、医療業界の専門用語もその都度やさしくひも解くように構成しました。現場にありがちなQAも収載し、連携にもすぐ活用できる情報が満載です。

 「敵を知れば百戦危うからず」ではありませんが、本書を読めば病院という組織がわかります。看板を見れば診療科も理解できるようになりますし、病棟のなかの組織体制も判断がつくようになります。そうなると窓口で引くことなく、誰とどのようにコンタクトを取ればよいか迷うことがなくなります。ついでに地域の関係医療体制についても理解が深まります。



 本書を活用し、健康に不安をもつ高齢者を支えるための、大きな自信につなげていただければと思います。

(中央法規出版 第1編集部 相原正己)

→本書のご注文はe-booksから