アセスメントの見える化に挑戦!
本書は、ケアマネジャーの根幹業務であり、ベテランでも一筋縄ではいかない“アセスメント”をマンガで解説する、いわばアセスメントの見える化に挑戦した書籍です。
そもそも、実務書なのになぜマンガなのか? それは……。
2017年のある日のこと。(本書の担当編集者である)私は、単行本企画のアイデアを得られないかと当社の雑誌『ケアマネジャー』のバックナンバーを読んでいました。その時、ふと、ある一文に目が止まったのです。
「今月号からは、とあるベテランケアマネジャーが行うアセスメントの、特に思考の過程(頭の中)についてご紹介したいと思います」という一文。これは、吉田光子先生の新連載『アセスメントの思考過程(2015.4~2017.3)』の初回のリード文の中にありました。
吉田先生の連載は、代々木ケアプランセンターという居宅介護支援事業所を舞台に、職員同士や職員と利用者との会話を題材に、アセスメントの思考の流れを解説していくものです。
「思考の過程(頭の中)を紹介する」という言葉と実際の連載を読んだ私の頭には、自然と職員や利用者の映像が浮かんできて、直感的に「これをマンガで表現したら面白いのでは?」「思考過程の見える化だ!!」と考えたことが、この「マンガでわかる」本の制作のきっかけとなったのです。
しかも、連載自体が会話形式なので、マンガのシナリオは既にできているのだから、比較的容易に作れるのでは? と安易に考えたことが、本書の企画化に向けたバリアをフリーにしてくれました。
実際には、吉田先生にイチからシナリオを考えていただいたので、まったく容易ではなかったのですが……、ともあれ、こんな思いつきに乗ってくださった吉田先生のご協力のもと、本書は2018年4月に無事に出来上がりました。
マンガですから、文字だらけの本よりも敷居が低いですし、読みやすく、わかりやすいので、新人ケアマネさんにうってつけです。でも、それだけではなく、ベテランケアマネジャーの心に響く言葉もたくさん出てくるのではないかなと思っています。
「利用者の暮らしを理解する」「自分のものさしを活かす」「客観的情報と主観的情報の活用」「利用者と家族の意向が違う時」「困難事例にしないために」などなど…、ケアマネジャーに大事にしてほしいことを丁寧に解説した1冊です。
代々木ケアプランセンターの新人ケアマネ森山さんの1年間を通して、マンガで学ぶアセスメントの入門書、ぜひ書店で手に取って読んでみてください。
(第1編集部 中村 強)