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×な介護って何だろう?



 近年、書店の介護関係の棚には「早引き」「ポケット」という形態の書籍が数多く並んでいます。これは、重い本、文字ばかりの本は嫌という最近の介護職の風潮を反映したものと思われます。しかしながら、その中身を見ると、大きな本をそのまま縮刷したような内容が多く、コンパクトさを十分に活かしていないように感じました。そこで、ポケット判の特徴を活かした本を作れないかと考えていたところ、ある介護現場の人の言葉を思い出しました。

 「今の若い職員は、あれをやってというよりも、やってはだめなことを伝えておいて、本人の主体性を活かすようにしたほうが育ちます」

 利用者の安全、尊厳を脅かす最低限の事柄を伝えておくことで、その職員も創造性を発揮できるということですが、知識や技術の詰め込みだけでは養うことのできない主体性を言い表したものです。

 それであれば、やってはいけないことが一目でわかる本のニーズがあるのではないかと考え、社内で提案しました。

  • ・やってはいけないことの前提として、やるべきこと、基本を知っておいたほうがいい
  • ・○と×で一目でわかれば、ポケット判の特徴を活かせるのではないか

 という意見を踏まえ、本シリーズが企画されたのです。

 ラインナップについては、現場のニーズの高いスタンダードなものを選んでいます。

 現在、以下の7冊が発売中です。今後は、読者のみなさんのニーズを踏まえて発行を検討する予定です。こんな内容はどうだろうという提案があれば、ぜひお寄せください。

【ラインナップ】
  • 介護技術○と×
     専門性の基本である介護技術。慣れから「うっかり」ミスが起こりやすいものです。利用者に直接触れる行為だけに、常に振り返りが必要です。
  • 記録の書き方○と×
     記録を書くのが一番嫌いな仕事という介護職は多いもの。そうであれば、最低限必要なポイントさえ押さえておくことを提案すれば、支持が得られるのではないでしょうか。記録に付き物の「用語」とあわせて確認しておきましょう。
  • 医療的対応○と×
    年々増え続ける医療的ニーズの高い高齢者に対して、医療職との連携や緊急時の対応をコンパクトにまとめた1冊。リスク回避にも役立ちます。
  • 認知症ケア○と×
     画一的なかかわりではうまくいかないのが認知症の人へのかかわり。そんなかかわりも、基本的な視点を抑えておけば柔軟な対応が可能です。
  • 口腔ケア○と×
     最期までおいしく食べるためには、口腔状態を良好な状態に保つことが欠かせません。疾患予防の視点とあわせて、今一度自分のケアを確認しておきましょう。
  • 移乗・移動の介助○と×
     介護技術の基礎である移乗・移動の技術は、生活場面、利用者の状態像に応じた技術が、求められます。介助者に負担をかけず、安全な介護を実践できる1冊です。
  • コミュニケーション○と×
     介護現場に接遇が言われて久しいですが、ビジネスマナーとは一味違った対応が求められる現場では、型どおりのマナーだけでなく、禁忌を忘れないことが必要です。マナーを踏まえたコミュニケーションもあわせて振り返ります。

(中央法規出版 第1編集部 平林敦史)

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