算定の根拠、きちんと理解できていますか?
2014年3月に『法的根拠に基づく ケアマネ実務ハンドブック―Q&Aでおさえる業務のツボ―』を刊行、その好調な動きを受けて、2015年11月に『法的根拠に基づく 介護事業所運営ハンドブック―Q&Aでおさえる業務のツボ―』、そしてこの度、第3弾となる『法的根拠に基づく ケアマネ実務ハンドブック【介護報酬・加算減算編】―Q&Aでおさえる報酬管理のツボ―』(2017年2月)を刊行しました。
ケアマネジャー等の現場実務者にとって、業務の根拠となる介護保険制度の理解は必須といえるが、広範にわたるため熟知するのは難しい――。
そうした実状を踏まえて、ケアマネジメントプロセスに沿って、ケアマネジャー等がミスしやすい、あるいは間違って理解している実務のルールを【Q&A+解説】でわかりやすく記した第1弾が、担当者の見立て以上(!?)に好調な動きを見せてくれました。
このコンセプトを横展開してみよう。実地指導の種類に対照させて、「運営編」「報酬請求編」とすることで、ケアマネジャーや介護サービス事業者、行政職員にも広く活用してもらえるに違いない、と発想を膨らませて企画したのが、第2弾、第3弾となります。
この2書は、当初、同時期の刊行をもくろんでいました。が、実際に動き出してみると、2書の同時進行は簡単ではありませんでした。制度改正、報酬改定等が刻一刻と確実に迫ってくるため、常に形のない何者かに追われるようななかでの製作だったように記憶しています……(結果としては、約1年半ごとのサイクルでの刊行となり、安定供給で良かったのではないかと思っておりますが)。
第3弾は、居宅サービスや居宅介護支援における介護報酬のうち、取り扱いが多いもの(多くの利用者が利用しているもの)や、うっかりミス(過誤請求等)を起こしやすいもの、そして加算と減算に焦点を当てて、多忙を極める介護保険に携わる専門職(ケアマネジャー、サービス提供責任者など)が理解しやすく、かつ、利用者等に説明しやすいことを最優先して作成しています。
1項目が2~6頁で完結という教科書的なつくりではないため、じっくりと向き合う読書は苦手という方や、経験年数の浅い方々にもとっつきやすいと思います。また、実践を積むうちに曖昧になってしまったことを再確認するためのツールとしても活用できます。
最初から読み進めても、興味のある部分や急いで確認したい部分から読みはじめても構わないよう作成しており、いずれも繰り返し確認することにより、(利用者や他職種等に)説明責任を果たすために必要な知識が増え、間接業務の効率化が図られるはずです。
現場実務者の理解が不確かだったり、誤って覚えていることの多い法令上の理解等を端的にまとめているところが、「法的根拠シリーズ」3書が好調の要因だと考えています。
そして身近な事例を導入として、3択(あるいは2択)のクイズ形式とすることで、読者に思考させながら展開していることが押しつけがましさがなく、参考にしやすいと思ってもらえているのではないかとも感じています。
著者の後藤佳苗さんは、業務効率化のために3書をご活用いただき、効率化により生み出した時間を利用者支援や地域づくりに充てていただきたい、という思いを込めています。
しっかりとした知識と自信をもって働いてもらうためにも、本書をはじめとする、法的根拠シリーズを、是非よろしくお願いいたします。
(第1編集部編集第1課 米澤 昇)