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リーダーになるための“極意”、紹介します。


 「なぜ今、このタイミングで、全く新しい企画の話を熱く持ちかけているのだろう……」
 私と向き合っている久田先生は、これから連載の単行本化に向けての作業が始まるのに、何を言い出しているのかと、不思議に感じたと思います。

 そのときは、弊社雑誌『月刊ケアマネジャー』の好評連載、「きらりと光るプロフェッショナルの仕事のルール」の単行本化に向けての打合せ。雑誌の担当者に同行して、大学の研究室でお会いしたのが久田先生との初めての出会いでした。
 といっても、これまでの著書『どうすれば福祉のプロになれるか』 『福祉のプロにおくる 職場の難問解決Q&A』を愛読していた身としては、「はじめまして」とは思えない雰囲気。今思い返すと、ひとえに久田先生の親しみやすさによるものだったのでしょうが、念願かなってようやくお会いできた高揚感で気持ちが盛り上がり過ぎたことが、冒頭に記したアクションにつながったのかなぁ、と思っています。

 連載の単行本化に向けた打合せでは、久田先生が時折発する“福祉現場では真のリーダーが不在だ”という言葉が【キーワード】のように感じました。これまで「福祉のプロ」を冠した書籍を著している久田先生に、“「福祉現場におけるリーダーシップ論」を、書き下ろしでご執筆いただけないか”と、これまでの著書の感想等も交えてお話ししたところ、ご快諾いただくことができたのです(*なお、『月刊ケアマネジャー』の連載を単行本化した書籍は『福祉の仕事でプロになる!』として刊行されています)。

 どのようなコンセプトにするのか、構成や見せ方はどうしたいのか、等々……。久田先生はこれまで多くの著書を著しているだけあり、どれもが魅力的なアイデアを豊富に出してくださいました。
 また、「リーダーシップ論」というコンセプトは堅持しつつ、これからリーダーとなる方々にも読んでもらいたいというねらいもあり、<絶対なってはいけないダメ上司のタイプ><磨きをかけるべき20のチカラ><苦手な部下にはどう向き合えば?>といった項目を設けて、“自分と重ね合わせてみてどうか”が感じられる視点を織り交ぜています。
 それは、どのポジション、どの職種の方が読んでも、久田先生からのメッセージを“自分に向けられたもの”として感じることができる、ということでもあります。

 役割に違いはあれど、すべての職員に必要なリーダーシップ――。
 久田先生が読者の皆さんに向けた熱いメッセージが「はじめに」に著されているので、本書を通じて届けたい久田先生の思いの一端を感じることができると思います。

――今、私が書き連ねている福祉の仕事に対する社会的評価の向上(すなわち、職業ブランドの向上)は、「夢物語」でも「妄想」でもない。リーダーシップを発揮する人が増えていけば、必ず福祉の業界は変わっていく。レベルアップが目に見える形で示されるようになる。そうなれば、当然、利用者の満足度も高まるし、働く人の職務満足度も高まる。社会的評価も格段にあがる。リスペクトされる職場という位置づけの獲得にもつながっていく。
 その貴重な牽引者となるのが、読者の皆さん、一人ひとりだ。本書で示したリーダーとしての姿勢、心構え、スキルをマスターし、所属する職場だけではなく、業界全体を変えていく真のリーダーとして、さらなる飛躍と成長を遂げられることを、心から願っている。

(「はじめに-福祉職場に足りないのは真のリーダーである」より)

 帯でも記していますが、「自分には関係ない……」「私に務まるかしら?」はもう卒業して、本書を読んで、今日から「リーダー」という気概をもった、新しい自分を始めてみてはいかがでしょうか?

(第1編集部編集第1課  米澤 昇)