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母親の言葉、娘の絵というコトバを詰め込んだオールカラーのエッセイ


 著者の杉本聖奈(まりな)さんを知ったきっかけは、今から2年前に放送されたNHK・Eテレ「ろうを生きる 難聴を生きる」でした。最初は単に「いい絵だな」と感じて聖奈さんにコンタクトをとったのですが、企画書をまとめる段階で、本を編集する過程で、また発行後のメディアの反応を通して、聖奈さんの絵に宿る多くの方を引き寄せるチカラを実感することになりました。

 東京新聞の記事(2014年7月11日、朝刊)にも紹介された「本当のマリナちゃん4コマ記録帳」は3冊分あり、そのコピーは今でも私の手元にとってあります。ラフスケッチに近い4コマ漫画なのですが、はじめて見たときに不思議と絵に引き込まれたことを覚えています。

 本書もこの漫画がベースとなって編集されていますが、決してそのままではありません。聖奈さんの立体イラスト作品には、額縁からはみ出しているものが必ず1つあるのですが、そのあそびが4コマ漫画でも登場します。また、本文中のイラストは当初、4コマから抜き出して使用していましたが、「同じものはヤダ」という聖奈さんの意見もあり、すべて新しく描いたイラストに差し替えをしました。

 もう一つ特筆すべきことは、お母さんの香苗(かなえ)さんも、しっかりと自分の「言葉」をお持ちだということ。一つひとつのエピソードは内容が深く、また、本全体を通したストーリーや筋立ても形づくってくださいました。

 聖奈さんの絵というコトバと香苗さんの重みのある言葉。妥協を許さない二人だからこそ完成した作品(本)でもあります。

 著者のその思いは、本の完成間際から人に伝わりつつありました。書店に並ぶ前、取次の担当者からも、「著者の本気度が伝わってくる本ですね」「福祉の棚だけでなく、ノンフィクションのコーナーにも置けるかもしれない」と高い評価をいただいています。「思いは伝わる」ということを痛感しました。

 杉本聖奈さん自身がブログ「鉄子な絵日記」で、本書の完成までを振り返っていますので、そちらもご覧ください。
【出版本が出来るまでの道のり】 http://blog.goo.ne.jp/toden_7022

紀伊國屋書店玉川高島屋の書棚
書店でも高い評価をいただいています

 本書は朝日新聞(2014年7月11日、朝刊)でも紹介されました。タイトルは「心をつなぐ絵 私のコトバ」。記者の方にも、聖奈さんの作品や絵の魅力やコトバがしっかりと伝わっています。そのコトバが、子育てに悩んでいるママやパパにも伝わり、共感したり、元気になったり、笑顔になってもらうことが著者の願いです。ぜひ、聖奈ワールドを楽しんでみてください。

(中央法規出版 第1編集部 三井民雄)

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