同行援護従業者の養成研修テキストの決定版!
本書は、2010年10月から実施されている障害福祉サービス「同行援護」の従業者の養成研修テキストです。国のカリキュラムに基づき、視覚障害者(児)福祉の制度・サービス、同行援護制度の解説に加え、代筆・代読等、同行援護に必要な知識や技術を収載し、発行以来、多くの研修機関でご活用いただいています。第3版では、平成25年度からスタートした障害者総合支援法に対応することを基本として、主に下記の内容を新たに盛り込んでいます。
- ・平成26年度からの「障害程度区分」→「障害支援区分」への変更、消費税率引き上げに伴う報酬改訂等に対応
- ・養成研修の企画立案、運営に役立つ「養成研修の企画について」を新規収載
- ・障害者虐待防止法、障害者差別解消法、個人情報保護法等の関連制度を捕捉
- ・サービス等利用計画様式の記入事例を追加
- ・同行援護サービス支給決定の流れを掲載
- ・同行援護従業者の服装・マナーについて新規収載
- ・視覚障害者の職場環境における心理を新規収載
「第2版との違いは?」と社内外から質問を受けた際には、以上のような内容をお知らせしていますが、実際の見直しは細部に及び、挙げればきりがありません。
執筆者の方々が実際に同行援護従業者養成研修や実務に携わっていることから、打ち合わせの段階でさまざまなご指摘をいただき、より充実した内容に刷新することができました。
一例を挙げると、旧版では、食事支援の技能説明の冒頭の記述は「外出の際の食事は、大切な時間です。お店選びからメニュー選択までが楽しみの1つになります。しっかりとした説明で、さらにおいしく楽しい食事になります。」でした。
第3版では、この部分が下記のような記述になっています。
「外出の際の食事は、大切な時間です。お店選びからメニュー選択までが楽しみの1つになります。目からも楽しむといいますが、その目からの情報が少なかったり、入らなかったりするため、同行援護従業者はよりおいしく、また楽しんでいただけるように言葉での情報提供をするように心がけましょう。」
この部分の見直しは、「同行援護」の際に求められていることの大きな柱が「情報提供」であることを指摘すると同時に、それが、視覚障害者の方々にとってどのような意味があるかといったことを示しているものです。
こうした細部にわたる見直しは、地味なものの積み重なりで、「ここが変わった!」と書籍案内等では大々的には謳ってはいません。ただ、編集担当者としては、研修後、実際に支援の現場に出る方々に対する執筆陣の「思い」が表れているものだと感じています。従業者養成研修のためのテキストですから、こうした「思い」は前面に表れるものではありませんが……。
(中央法規出版 第1編集部 相原文夫)