一番やさしい認知症のトリセツ
2015年2月10日
本書の初版は今から9年前の2006年4月。11年に改訂(第2版)を発行し、現在に至ります。長谷川和夫先生による、一番やさしい認知症の本は、これまで多くの読者から支持を受け、ロングヒットを続けています。
当時、04年に京都で国際アルツハイマー病協会の国際会議が開催され、認知症の当事者が自分の体験を語ったことが話題となりました。日本でも昨年、認知症の当事者団体が設立されるなど、本人の声を認知症ケアに活かす取り組みが本格化していますが、その先鞭となった大会です。また、同年(04年)、厚生労働省は「痴呆」の呼称を「認知症」に変えるなど、認知症の人を取り巻く環境が大きなうねりになったとき、本書は刊行されたのです。
長谷川式スケールの開発者として、また近年は認知症介護研究・研修東京センターのセンター長、名誉センター長として、認知症ケアの進むべき姿を示してきた著者が本書に込めた思いは「多くの市民の方々が認知症を正しく理解していただくこと」(あとがきより)。
今一度本書を手に取り、認知症ケアのあるべき姿に振り返ってほしいと思います。
(中央法規出版 第1編集部 平林敦史)