チームによる認知症初期支援のやり方が具体的にわかる
現在、日本では65歳以上の人口が全人口25.1%を占めています。将来推計では、2060年には39.9%に達し、およそ2.5人に1人が高齢者という時代に突入します。高齢者の割合が増えるということは、認知症の人の割合も増えるということです。そのため現在、国を挙げてさまざまな認知症対策がなされていますが、その一つが、認知症の早期発見・早期対応の柱となる「認知症初期集中支援チーム」です。
認知症初期集中支援チームとは、複数の専門家が、家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人およびその家族を訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うチームを指します。2014年から介護保険制度における地域支援事業で実施されている取り組みで、新オレンジプランでは、2018年までにすべての市町村に普及する目標が掲げられています。
本書は、認知症の基礎知識、症状ごとの初期支援法、アセスメントツール「DASC」の活用法、初期集中支援チームの役割やノウハウを解説しています。
チームの構成員は保健師や看護師、介護福祉士などの専門職2名以上、専門医1名以上で構成されますが、経歴の異なる専門職がチームを組むためには、それぞれの支援場面において共通した認識を有することが欠かせません。この共通認識がなされていないチームでは、初期支援がうまく機能しないといっても過言ではないでしょう。そこが本企画の出発点です。現場でチームケアを実践する専門職による、実際に使える内容となっていると自負しています。チームでの初期支援のやり方が具体的にわかる、研修用テキストとしても使えます。
(中央法規出版 第1編集部 米澤昇)