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先輩ケアマネから「実践知」と愛情をこめて――「ケアマネ1年生シリーズ」誕生秘話

刊行、そして次のステップへ

 約1年後の2011年8月、同書は無事に刊行となりました。幸い、各方面で好評を博し、初級者だけでなく、指導者層の方々も歓迎してくださいました。ある市の介護保険課では、ケアプラン適正化チームが同書を教科書にして、全員がボロボロになるまで読み込んでいる(!)という話も伝わってきました。

 こうなると、次の展開につなげたくなるのが編集者の性(さが)です。同書と同じスタイルで、ケアマネジメントのプロセスごとに、仕事のノウハウをより詳しく、丁寧に伝達することを考えました。そうして企画したのが『はじめてのケアプラン』以下の4冊です。

  • 『はじめてのケアプラン』(2013年9刊行)
  • 『はじめてのサービス担当者会議』(2013年9刊行)
  • 『はじめての多職種連携』(2013年12月刊行)
  • 『はじめてのモニタリング』(2013年12月刊行)


 「ケアプラン」は内容の性格上、1人の方に執筆していただいたほうがまとまりが出るため、かねて着目していた中野穣氏(はちぶせの里施設長・兵庫県)に執筆をお願いしました。「サービス担当者会議」は1作目と同じ奈良チームにお願いすることにしました。「多職種連携」と「モニタリング」は、1作目に好反応を示してくださった旧知の方々のなかから、基礎職種と地域性を考慮して東京(2名)、横浜、長野、兵庫の5名の方に「作成委員会」を結成していただきました。

 執筆者の皆さんは多忙な方ばかりのうえ、活動エリアも離れているため、ふだんはメールやメーリングリストでやりとりを行い、要所要所でリアルな会議を設定しました。「ケアプラン」と「担当者会議」については、私が兵庫県や奈良県に出かけて打合せを行い、「多職種連携&モニタリング」チームは東京や横浜で編集会議を行いました。

 「多職種連携」と「モニタリング」のチームは2冊分の協議をするため、白熱した会議はいつも10時間近くに及びました。5名のなかには今回初めて出会う方々もいましたが、ベテランの相談援助職ならではのサポーティブな交流によって、メンバーは相互に持ち味やキャラクターについて理解を深め、制作が終わる頃には今後の長い交友を予感させるグループになっていました。

 こうして、3チーム(正確には2チームと個人)による2年あまりにわたる協働作業は、4冊の書籍として結実しました。どの作品のどのページにも、長年真摯に実践に取り組んできた方々ならではの「実践知」と新人ケアマネさんへの愛情がたっぷり詰まっています。


 「ケアマネ1年生」シリーズは、「介護保険の要」と言われつつも何かと風当たりが強いケアマネジャー業界の「底上げ」に確実に寄与できる諸作だと自負しています。一人でも多くの読者に手にとっていただきたいラインナップです。

(中央法規出版 第1編集部 松下 寿)

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