アセスメントの“やり方”がわかるようになる本
本書は「アローチャート」と銘打ってますが、それを知らなくても大丈夫。とにかく『アセスメント力を付けたい』と思っている方に是非読んでいただきたい一冊です。「アセスメントって、もやっとするものがある」「そもそも良くわからない」そんな方にもおすすめです。
ところで、ネットで「アセスメント ケアマネ」などと検索すると、
- 「気づき」を大切にする
- 利用者の生活の視点を意識する
- 「利用者本位」を大切にする
- 「尊厳」を確保する
といった言葉が並びます。でも前者二つは情報収集のポイントでしかなく、後者二つはアセスメントの「方針」でしかありません。
これで、利用者への最適な支援方法がわかるでしょうか? 旅行で言ったら「南の島に行きたい」「●●ツアー」「レンタカー○○」「飛行機運賃●●円」などという情報が並んでいるだけ。これだと、電車を使うのか飛行機を使うのか、どのツアーにするのか、何を諦めるべきか、など、細かいプランまでは分かりません。
本書では「アローチャート」という手法を使ってこのアセスメントの「やり方」を明らかにします。
ある利用者に対して、具体的に、どのような手順で、どういう風に考え、最適な支援として何が必要か、それがわかるようになります。
アセスメントがわかるようになる魔法の書のような書き方をしてしまいましたが、実際に正しい分析がなされているかは、ケアマネジャーさんの専門性や力量が試されます。
たくさん旅行雑誌を買ったからと言って、楽しい旅行プランになるとは限らないのと同じですね(そうであればケアマネジメントは資格のない私にだってできてしまいますから…)。
でも、安心してください。アローチャートは○と□、→(矢印)など簡単な図形を使ってアセスメントを「可視化」する手法です。
可視化できれば、他者からも客観的に見ることができるので、自分のプランのどこがいけなかったのか、また、どこがよかったのかが、わかるようになります。自らのアセスメントの上達方法がわかることを通してアセスメント力が向上するようになるのです。
魔法のメソッド「アローチャート」。小規模な研修会もたくさん開かれています。皆さんの地域にもあるかもしれません。気になる方は是非本書をお読みになって、アローチャートの考え方に触れてもらえばと思います。
(第1編集部 鈴木涼太)
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アセスメントに自信がもてる!アローチャートガイド
ケアマネジャーの羅針盤監修:吉島豊録
著者:石田英一郎、色部恭子、大羽孝児、坂本文典
サイズ:B5 214頁
価格:2,200円(税別)